ワイルドナイツからジャパンへのギフト。ラクラン・ボーシェーは「チャンスがあれば」
ラクラン・ボーシェーはいつも通りだった。
後半開始早々のスティール成功をチーム初トライに繋げ、それを前後して激しいタックル、好ターンオーバーを重ねた。
6月6日。東京・秩父宮ラグビー場で出場したのは、加盟するジャパンラグビーリーグワンの3位決定戦だ。初年度王者の埼玉パナソニックワイルドナイツで7番をつけた。
旧トップリーグ時代に5度優勝の東京サントリーサンゴリアスを26-19で下すまで、身長191センチ、体重104キロの身体で地を這った。
ハーフタイム明けのワンプレーには「後半の最初に点を取って勢いを引き寄せられたことは、非常によかったです」とだけ述べ、勝利は皆のおかげだと話す。
前半途中に主将の坂手淳史が故障したことなどを踏まえ、こう続ける。
「たくさんのエラーや怪我があったなか勝ち筋を見出せたことは、チームとしての収穫です」
トップを経験したクラブにとって、ブロンズファイナルは難所だ。勝つつもりだった準決勝で敗れ、精神的な落ち込みを乗り越え真剣勝負に臨むのは容易ではない。ところがこの日のボーシェーは、それまでに出場してきた公式戦と同様に持ち味を発揮していた。
パフォーマンスがぶれない選手であるのを改めて証明し、かつ、謙遜する。
「先週の負けを経て、この試合にモチベーションを抱くのは難しいものです。そんななか、選手たちがよく頑張ってくれたと思います。(プレーオフでは)一貫性を持って戦う難しさを痛感しています。ひとつかふたつのエラー、チャンスを獲り切れるかどうか(の違い)で勝敗がわかれています。来季へ、その点を修正します」
ワイルドナイツに入ったのは2021年。本人の認識では、同年10月に来日している。
国際統括団体ワールドラグビーの規約と照合すれば、今秋には日本代表への選出資格を得られる。
母国ニュージーランドでは、国際リーグのスーパーラグビーきっての名手として知られた。似たポジションの常連組との兼ね合いもあってか代表入りが叶わず、いまに至っている。
関係筋は囁く。ボーシェーは、2027年のワールドカップに出る日本代表へのパナソニックからのギフトなのだと。
当の本人は、国際舞台へ強い思いを抱く。エディー・ジョーンズヘッドコーチら現ナショナルチームの面々とコンタクトを取ったことはないというが、機会が巡るのを心待ちにしている。
「インターナショナルラグビーでプレーを披露できるチャンスがあれば、精一杯、やりたいです。いまはその状況にはありませんが、声がかかれば頑張ります」
今年のジャパンは7月に新設ネーションズチャンピオンシップの前半戦に、8月には対オーストラリア代表2連戦などに挑む。11月には、新大会の後半戦がある。ギフトと呼ばれる31歳がジャパンにギフトをもたらす日は来るか。



