「皆でアタックして皆でディフェンスする」。スピアーズ木田晴斗、優勝への自信
徹頭徹尾、威勢がよいのが魅力だ。
クボタスピアーズ船橋・東京ベイの木田晴斗は、6月7日に出場するジャパンラグビーリーグワン・プレーオフ決勝を2日後に控え、充実ぶりを覗かせる。
台風の影響で身体を動かしながらの連携確認は限られたが、やるべきことは整理できたと話す。
「(トレーニング期間の)最初の2日は疲労を抜く、全員が役割を理解する期間でした。きょう、しっかり身体を動かしました。決勝へいい準備ができています。また(当日まで)あと1日ある。もちろん相手の対策はしますが、今季ここまでやってきたことをどれだけ出せるかが一番のポイントです」
12チーム中3位で通過したレギュラーシーズンでは、ベストラインブレイカー賞を獲得した大外の突破役。ノックアウトステージでも輝きを放つ。
5月24日の準々決勝を経て臨んだ31日の準決勝では、フィールドの中央で好ランを連発。後半16分には味方CTBのリカス・プレトリアスをサポートしてトライラインを割り、ファイナリストとなっていた。
次なる相手はコベルコ神戸スティーラーズだ。リーグ戦最終節で惜敗し首位通過を許した相手で、30日の準決勝では東京サントリーサンゴリアスを69-23で一蹴している。
ニュージーランド代表106キャップのアーディ・サベアらが破壊力をアピールするさまは、短期決戦で調子を上げているようにも映る。
ところがどうだ。小学4年で極真空手の世界王者になった身長176センチ、体重90キロの27歳は、その仮説に首をかしげる。ゲームのスコアがチーム間の相性で変わりうる前提で言い切る。
「相性がよかったり、アタックの(を持ち味とする)チーム同士(の対戦)になったりすると、はまれば点差がつくことはある。ただ、(準決勝が)あのようになったからといって神戸の調子がいいという風には、僕は思わないです。そんなに、ラグビーはうまくいかないです。その日に、決勝で、どっちが自分たちのやってきたことをプレッシャーに負けずに出し切れるかがキーになるかなと」
スピアーズがスティーラーズの力を制限し、勝ち切る術については明かさなかったが、長短のキック、チェイス、タックルの精度を保って辛抱強く戦うつもりだろう。
初優勝した’22年度のファイナルでは、ミスが重なる埼玉パナソニックワイルドナイツをしり目に終盤に決勝トライを決めている。我慢の末に果実を得た成功体験について聞かれ、己に言い聞かせるように話す。
「(自身が務める)WTBには勝負強さが大事。チャンスが、来るんじゃないかと思っています。そこで獲れる準備をしたいです。(運気を)持ってるか、持ってないかという意味では、(自身には必要なものが)あるんじゃないですか」
日本代表2キャップの11番は、勝負における戦力以外の必須要素を皮膚感覚で知る。シーズン中に手痛い敗戦があったのを反省する意味合いも込めてか、強調する。
「ひとつになることが何よりも重要。それを今季の僕らは学びました。どれだけ素晴らしい選手がいても、個人でプレーしてしまうと勝てない。このリーグはそういうレベルに来ている」
今回、スピアーズでは南アフリカ代表87キャップのマルコム・マークス、日本代表4キャップのタイラー・ポールが登録されない。他にもかねて欠場中のメンバーがいる。
簡単ではない状況ながら、リップサービスの意味合いもあるのだろうか、木田は「逆にやったろうって感じですけどね、僕からしたら。これ(スピアーズの主力が欠けた状態)で(相手が)負けたら、何も言えないのでは」。この事態も、結束力を示す好機だと捉える。
「僕たちが皆でアタックして皆でディフェンスすれば、勝てるチームはいない」
自信が本物であることを、本番で証明する。




