肉体改造で再ブレイク。イノケ・ブルア[コベルコ神戸スティーラーズ/WTB]
2月に日本代表候補メンバー55名が発表された週末の試合後だったか。
コベルコ神戸スティーラーズのデイブ・レニーHCが喜びを伝えた。
「(エディー・ジョーンズ日本代表HCに)気づいてもらえてよかったです」
そのパフォーマンスを高く評価されたのはWTBイノケ・ブルアだ。
今季のレギュラーシーズンでは、第9節の埼玉ワイルドナイツ戦を除いて全試合に先発。総出場時間は1292分と、加入1年目の昨季から4倍ほど増えた。
「昨シーズンはチームのカルチャーをはじめいろんなことに適応していく1年でした。プレータイムを満足に得られなかったので少し悔しかったです。でも、いまはチームにも慣れてきました」
フィジー出身の26歳だ。流経大進学を機に来日。2年時の冬にはサンウルブズに練習生として招集され、その後、正スコッドに昇格した。
2022年度に入団した横浜キヤノンイーグルスでは1年目から活躍し、いきなり14トライをマーク。2年目にプレータイムを落とす中、移籍を決断した。
「神戸にはイシ(中島イシレリ)など大学の先輩が何人かいて、彼らは大学時代からよくしてくれました。良いチームであることはわかっていたので、慣れ親しんだチームをあえて出てチャレンジすることで成長したいと思いました」
移籍1年目こそ苦労したが、奮起できるモチベーションがあった。
「3人目の息子が生まれたことが一番大きいです。生まれたばかりなのでかなり朝早く起きなければいけないことはチャレンジングですが、だからこそより自分を律しなければいけない、よりハードワークしないといけないと思えます。疲れた状態で家に帰っても、彼らが元気よく遊んでいる姿を見るとエネルギーをもらえるんです」
プレシーズンから意識したのは「グラウンド外での一貫性」だ。リカバリーにこれまで以上に時間を割き、正しい食事を心がけた。
「フィル(ヒーリー/ヘッドアスレティックパフォーマンスコーチ)からも言われたのですが、僕は筋肉がつきやすい体質です。ウエートトレーニングはすごく好きですし、食べろと言われればいくらでも食べれてしまう。特に肉をよく食べるので、どうしても筋肉量が増え過ぎて体重が重くなってしまっていました。なので、いまは食事の量を気を付けています」
体を絞れば再ブレイクできた。リーグワンが公表するアタックの個人スタッツではすべて上位10傑にランクイン。ゲインメーターは1254メートルで3位、ラインブレイクは21回で5位だった。
パワフルなボールキャリーで防御網を切り裂くのが持ち味だ。もっとも、指揮官が称えるのは「リピートエフォート」だった。
「繰り返しのアクション、つまりワークレートが一番向上しました。昨シーズンよりもコンディションは間違いなくいいです」
自身も身体の変化を実感する。
「今シーズンはスプリント(短い距離の全速力)を反復することができています。キックでプレッシャーをかけることもWTBの仕事の一つです。そのためにはスピードも必要でした」
日本代表候補メンバーに初めて選出されたことについては、「本当にありがたいことで幸運なこと」と話し、こう続けた。
「自分の力だけではありません。コーチ陣の助け、メディカル、S&C、トレーナーの皆さん、そしてチームの努力が自分に語りかけがあったからこそ、ここに来れてます」
レギュラーシーズンを首位で通過した神戸は、5月30日にプレーオフ初登場。準決勝で東京サントリーサンゴリアスと対戦する。
愛称ノックスではここでも背番号11をつける。周囲への感謝をカタチにしたい。
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