フランス勢が欧州チャンピオンズカップとチャレンジカップを席巻。TOP14のクライマックスは激戦必至
欧州および南アフリカのクラブラグビーの王者を決めるインベステック・チャンピオンズカップの決勝が5月23日におこなわれ、ボルドーがアイルランドのレンスターを41-19で下し、大会2連覇を果たした。この大会には、イングランドのプレミアシップ、フランスのTOP14、そしてアイルランド、ウェールズ、スコットランド、南アフリカのクラブが参加するユナイテッド・ラグビー・チャンピオンシップ(URC)のそれぞれから、前年度の上位8クラブが参加する。
この前日には、チャレンジカップの決勝がおこなわれた。同大会には、チャンピオンズカップに参加できなかったプレミアシップの2クラブ、TOP14の6クラブ(昇格チームを含む)、URCの8クラブに加え、南アフリカのチーターズとジョージアのブラック・ライオンが参加する。決勝ではフランスのモンペリエがアイルランドのアルスターに59-26で勝利し、3度目の優勝を決めた。
チャンピオンズカップは、2021年のトゥールーズ、2022年と2023年のラ・ロシェル、2024年にふたたびトゥールーズ、そして2025年と2026年のボルドーと、6年連続でTOP14のクラブがタイトルを獲得している。同期間のチャレンジカップでも、2021年のモンペリエ、2022年のリヨン、2023年のトゥーロン、そして今年のモンペリエと、フランス勢が4度優勝した。これにより、両大会における過去6年間・計12個のタイトルのうち、10個をフランス勢が占める結果となった。
今年はボルドー、モンペリエともに、決勝で得点差をつけての優勝であった。フランスのスポーツ紙『レキップ』の記者は、モンペリエがアルスターに対して見せたパフォーマンスについて、アイルランド人のジャーナリストから「もしモンペリエが明日レンスターと戦うことになっていたとしても、彼らの方が本命だと予想していただろう」と耳打ちされたと伝えている。
モンペリエは開始早々アルスターに先制トライを許すも動じることなく、その後は自らのラグビーを遂行した。前半だけで4トライ、後半もさらに2トライを追加し、50分にはスコアを40-12とした。その後はNO8ビリー・ヴニポラ、SOドミンゴ・ミオッティ、CTBオーギュスト・カド、FBトム・バンクスら主力選手を早々と交代させ、翌週のTOP14の試合に備えた。
試合後、ジョアン・コーデュロHCは次のように語り、選手を称賛しながらもさらなる野心を示した。
「選手たちがやってのけたことは、本当に素晴らしい。彼らを心から祝福したい。しかし、これはあくまで一つの通過点であり、最終目的地ではありません。今夜はこの優勝を盛大に祝って、明日どうするかを考えましょう。このタイトルの余韻に浸り続けたいのか、それとも次週のTOP14のポー戦へすぐに気持ちを切り替えるのか、ということです。トップ6(プレーオフ進出圏内)に入りたいという強い思いを抱き続けてきましたが、今の我々は、さらにその先へと突き進みたいと願っています」
モンペリエは2年前、入替戦に勝利してTOP14残留を決めなければならない状況にあった。就任2シーズン目となる44歳のコーデュロHCは、当時の状況と現在の変化について次のように述べている。
「2年前は苦しんでいたリーダー陣が、的確な補強という起爆剤によって息を吹き返してくれました。チームの歯車が見事に噛み合ったのです。グループの雰囲気も非常に良く、我々スタッフにとってもこれ以上ないほどマネジメントしやすいチームです」
ピッチの上でもチームが一つになり、安定している様子がうかがえる。ラグビーの戦術面についても、同HCはグループの進化を口にする。
「今の我々は、ただ守ってセットピースを制するだけでなく、アタックも含めて自分たちの目指すラグビーをモノにできています。このチームに生まれた『安定感』が、必然的に結果をもたらしてくれているのです」
この試合の勝利により、モンペリエは現在公式戦8連勝となった。11月22日のペルピニャン戦以降は23戦20勝を記録しており、現在TOP14で内容、結果ともにもっとも安定している。そのため、プレーオフにおける強力な台風の目になると目されている。
TOP14のレギュラーシーズンは残り2節。モンペリエは現在2位につけているが、3位のポーおよびスタッド・フランセとは勝ち点1差である。今週、ホームで迎え撃つポーに勝利し、2位の座を守ってプレーオフ準決勝への直接進出権を獲得したいところである。
翌日、ボルドーも試合開始早々に先制トライを許したが即座に反応した。速いテンポで一瞬の隙も逃さない容赦のなさを見せ、さらにバウンドまでも味方につけて40分までに4つのトライを重ねた。42分にはCTBヨラム・モエファナがレンスターのSOハリー・バーンのパスをインターセプトし、そのまま70mを独走してトライラインを越え、スコアを35-7と突き放し、ハーフタイムの時点で勝利を大きく手繰り寄せた。
ヤニック・ブリュHCは試合をこう振り返る。
「今週のミーティングでは、完璧な試合をしようと話し合っていました。ハードワークの面でも、選手同士の連携という面でも、彼らは見事にそれに応えてくれました。我々の戦術プランでは、空中戦、ブレイクダウンの攻防、そしてディフェンスの質に集中する必要があったのです。前半の選手たちのハードワークはすばらしかったし、結果として良いバウンドがこちらに跳ね返ってきたり、運が味方してくれたりした部分もありました」
この試合でPOMに選ばれたSHマキシム・リュキュは次のように説明する。
「自分たちの得意な外側のスペースへすぐに展開するのを我慢し、忍耐強く、泥臭く戦おうと決めていました。中央のエリアでコリジョンに勝ちさえすれば、そこからラインブレイクができることが、試合が始まってすぐに分かったのです」
『レキップ』紙はボルドーの前半の戦いぶりについて、「パワー、スピード、アスリート能力のすべてが融合した、トータル・ラグビーのデモンストレーションであった」と称えている。
後半に入ると、ボルドーは一転して守勢に回り、陣形を固めてレンスターの反撃を封じ込めた。ボルドーの激しいディフェンスはレンスターの選手たちを追い詰め、それを象徴するように、途中出場からプレーしたPRベン・タメイフナがラックで相手のボールを奪い取るビッグプレーを見せた。ブリュHCも「ああいうプレーが心理面に与える影響は途方もなく大きい」と称賛する。
赤いヘッドキャップのWTBルイ・ビエル=ビアレは、この試合でもステップで相手を翻弄し、2トライをマークした。今大会全8試合に出場して10トライを量産。昨年、今年と2年連続でのシックスネーションズに続き、今年のチャンピオンズカップでも最優秀選手に輝いた。
大会の優勝カップに留まらず、最優秀選手賞もフランス勢が席巻している。2021年以降、アントワンヌ・デュポン(2021、2024年)、グレゴリー・アルドリット(2023年)、ダミアン・プノー(2025年)が受賞しており、今年のビエル=ビアレの受賞によって、過去6年間のうち5回をフランスの選手が占める結果となった。
チャンピオンズカップでは圧倒的な強さを見せてきたボルドーだが、TOP14のプレーオフ進出はまだ確定していない。シーズン序盤に負傷者が多かったことも影響しているが、パフォーマンスに波があるのだ。現在は5位につけているものの、6位のクレルモンとは勝ち点1差であり、今週の敵地でのトゥーロン戦、そして最終節のホームでのクレルモン戦を乗り切らなければならない。
ブリュHCは「日曜日、トゥーロンで素晴らしい戦いを見せることが極めて難しいのは百も承知です。しかし、これまでのシーズンを台無しにしないためにも、我々はそれをやり遂げなければならないのです」と語る。
仮にプレーオフ進出を果たしたとしても2位以内に入ることは難しく、準々決勝、準決勝と1試合ずつ勝ち上がらなければならない。疲労も蓄積していくが、オフの週などない。止まれば終わりなのだ。
キャプテンのリュキュは「歴史は僕たちの手にあります。ここからさらに進み続けなければなりません」と決意を新たにする。
現代ラグビーにおいて、トゥールーズだけが2021年と2024年に成し遂げた「同シーズンでの2大会制覇」という野望に向けて、彼らの挑戦は続く。




