【南アフリカ記者コラム】スプリングボクス、URCとのバッティングをどう乗り越える?
ブルズ、ストーマーズ、ライオンズはいずれもユナイテッド・ラグビー・チャンピオンシップ(URC)のプレーオフに進出している。
しかし、URCの終盤戦は2026年の国際シーズン開幕と重なるため、スプリングボクスのテストマッチへの準備に影響を及ぼす可能性が高い。
URC決勝は6月20日に開催される予定だ。そしてこの日はスプリングボクスがバーバリアンズと対戦し、さらに南アフリカA代表がジンバブエと対戦するという、ポートエリザベス(ゲケベハ)での歴史的ダブルヘッダーと重なる。
ラシー・エラスマスHCにとっては、南アフリカ勢のどこか1チームでもURCのタイトル争いから脱落すれば、状況は少し楽になる。
もしライオンズが準々決勝でレンスターに敗れれば、彼らはゲケベハでの試合に向けた有力候補となるだろう。
ブルズとストーマーズはそれぞれマンスター、カーディフホームにを迎え、準々決勝を戦う。
もしこの段階でどちらかが敗退すれば、最低46人が出場することになるダブルヘッダーを前に、ボクスのセレクター陣は豊富な選択肢を手にすることになる。
とはいえ、URCはまだ多くの試合を残しており、すでに長い負傷者リストがさらに拡大する可能性もある。
その結果、エラスマスは南アフリカが誇る選手層のさらに奥深くまで目を向けざるを得なくなるかもしれない。
エラスマスは最近、ライオンズのFLシバ・マハシェと、将来有望なシャークスのユーティリティーBKゼケテロ・シヤヤを、5月下旬にケープタウンでおこなわれるナショナルアラインメントキャンプに招集した。
また、SHエンブローズ・パピエ(ブルズ)、NO8フランケ・ホーン(ライオンズ)、CTBヘンコ・バンワイク(ライオンズ)、HOアンドレ=ヒューゴ・フェンター(ストーマーズ)も、初めてこのキャンプに加わる。
エラスマスは6月20日までに、さらに広範囲に選手を探さなければならなくなる可能性もある。
LOのRG・スナイマン、CTB/WTBイーサン・フッカー、セバスチャン・デクラークは長期離脱が決定しており、さらにPRフランス・マルハーバ、トレヴァー・ニャカネ、LOエベン・エツベス、ルード・デヤハー、FLピーターステフ・デュトイ、FBアフェレレ・ファシが長期離脱からいつ復帰できるのかも不透明なままだ。
ボクスのコーチ陣は、バーバリアンズ戦とジンバブエ戦から可能な限り多くの収穫を得ようとしている。
その後はイングランド、スコットランド、ウエールズとの新設大会「ネーションズ・チャンピオンシップ」に焦点が移る。
エラスマスらは、以前にも似たような状況を経験していた。
2年前だ。テストマッチシーズンの開幕戦となったウエールズ戦はロンドンで開催されたが、それはウィンドウマンス外であり、URC決勝と重なっていた。
そのため、グラスゴー・ウォリアーズとのファイナルに臨んだブルズの選手たちは代表に招集できなかった。
また、欧州所属のボクスたちもクラブ事情で不参加となった。
結果として実に16人もの代表選手がその試合を欠場。先発メンバーの大半は日本のリーグワン所属の選手で構成されていた。
現在、11人のスプリングボクスが日本でプレーしている。
来季にはWTBカート・リー=アレンゼ、LOルアン・ノーキア、SHグラント・ウィリアムズも日本へ移籍するため、その数はさらに増える見込みだ。
リーグワンはレギュラーシーズンがすでに終了しており、プレーオフ進出を逃したチームは各国代表選手を解放している。
そのため、FLクワッガ・スミス、LOフランコ・モスタート、CTBジェシー・クリエル、SHファフ・デクラークらは、すでにスプリングボクスへ意識を向けることができる。
またプレーオフに進出した面々も、6月7日の決勝後には全員が南アフリカへ戻る予定だ。これらの選手の多くが、バーバリアンズ戦に出場すると予想される。
一方で大きな疑問となるのは、南アフリカA代表で誰が出場するかだ。
シャークスはURCプレーオフ進出を逃しているため、所属する代表選手たちはバーバリアンズ戦やジンバブエ戦に集中できる。
エマニュエル・ツィトゥカは、兄ヴィンセントとともにバックローを組む可能性があり、SHジェイデン&SOジョーダン・ヘンドリクセ兄弟もハーフ団として先発する可能性もある。
WTBマカゾレ・マピンピ、HOボンギ・ンボナンビ、PRヴィンセント・コッホといったベテラン勢も、再び代表戦線に戻ってくるかもしれない。
一部では、エラスマスが南アフリカA戦を若手選手発掘の場として活用するのではないかという見方もある。
その場合、ジュニア・スプリングボクスことU20南アフリカ代表のシヤヤ、CTBマーカス・ミュラー、WTBチェスウィル・ユースト、LOライリー・ノートン、PRカイ・プラットらに出場機会が与えられる可能性がある。
ただし、ジュニア・ボクスはゲケベハでの試合からわずか7日後に、ジョージアで開催されるワールドラグビー ジュニアワールドチャンピオンシップの初戦を控えている。
理想を言えば、すべてのトップ選手が出場可能であることが望ましい。
しかし、負傷はラグビーにつきものだ。
今後数週間の展開に応じて、ボクスのコーチ陣は計画を柔軟に調整する必要がある。
そして、もっとも厳しいシナリオ――南アフリカ勢2チームがURC決勝へ進出する事態――になれば、エラスマスはこれまで以上に幅広い選手層から代表を選ばなければならなくなるだろう。



