もし、トランプ大統領がラグビーと出会っていたら…
競争原理の象徴であるアメリカのドナルド・トランプ大統領の母校、アイビーリーグのペンシルベニア大学が、英国のオックスフォード大学やケンブリッジ大学と激突し、その後アフターファンクションでイギリスの学生とラグビーの深淵に触れていたなら、若きトランプ氏の人格形成に大きな影響を与え、世界はいまとはまったく違うものになっていたのかもしれない。
人の痛みを身をもって知り、戦いの最前線で体を張ってスクラムやタックルに行く仲間の尊厳を理解し、チームワークの偉大さを実感する。
そして、真剣勝負の後に敵と抱き合えるノーサイドスピリットに、ラグビーの真髄、魅力を心底味わっていたなら…….
そして、若きトランプ氏が、精神形成期にボランティアの経験を踏んで、災害や紛争で住む家を追われ悲嘆に暮れる人たちと直接触れ合い、ただ寄り添い尽くすこと、その無償の汗がいかに尊いものか気づいていたなら……
ラグビーはイギリスで生まれ、さまざまな時代に揉まれ思考され、『人格形成』というひとつの重要な教育的意義に辿り着いた。
特に学生が励むラグビーは、チームワークという社会生活においてもっとも大切な資質のひとつを身に付けるとともに、さまざまな困難にも挫けないたくましい自己を確立するための教育の一過程である。
どんな人間に成長して、どんな人生を歩みたいのか。何を目指して、二度とない学生生活をラグビーに捧げ、日々の苦しさに耐え抜くのか。少年少女時代にさまざまなスポーツや芸術に触れ、新しい世界を知り、どんな体験を積むか。
それが人間の根幹に大きな影響を与え、その後の社会を創っていく。いかに青春期の教育、経験が大切であるかを思う。
自国や個人の利益が優先される現代において、あれだけの人間的な魅力と不屈の精神、エネルギー、知略、そして運を兼ね備えた比類なき現代社会のトップ・オブ・トップであるトランプ大統領が、自己犠牲、無功徳(見返りを求めない心)というラグビーの根幹を成す思想を理解し、全世界の人々の現実に思いを寄せていたら……
人類史上類を見ない、燦然と輝く栄光をトランプ大統領は手にし、歴史に名を深く刻むことになっただろう。
そして、アメリカ国民は世界中から尊敬され、誇り高き国民になったと思う。
アメリカファーストからワールドファースト、ワンチームへと昇華させることが出来たなら。
今からでも遅くはない。
ラグビーとは、そんなリーダーを育てるためのスポーツではないのだろうか。




