3連覇への援軍。ブレイブルーパスのジョネ・ナイカブラ、復活までの苦悩
怪我から復帰するや大活躍。ジャパンラグビーリーグワン3連覇を狙う東芝ブレイブルーパス東京にあって、ジョネ・ナイカブラが違いを生み出している。
フィジー出身で日本代表17キャップの32歳は、4月25日、第16節の横浜キヤノンイーグルス戦で後半10分より登場した。
見せ場を作ったのは22分だ。会場である東京・秩父宮ラグビー場で、メインスタンド側にあった空間を30メートルほどぶち抜いた。得点をお膳立てした。26-50で敗れるも、約1年ぶりの公式戦出場にして生来の凄みを示した。
5月2日の秩父宮では、静岡ブルーレヴズとの第17節で先発した。レギュラーシーズンをあと2つ残して12チーム中6位。6傑によるプレーオフ行きへ重圧のかかるなか、WTBのレギュラーポジションへ戻った。
2点差を追う前半14分、敵陣22メートル線付近の左中間で球を受けた。目の前に防御が迫ってくるなか、左へパスをさばいた。
ボールの渡る大外へ回り込み、22メートルエリア左端でバトンを受け取った。前方へキックを放つ。弾道へ追いつく。勝ち越しトライ!直後のゴール成功で15-10とした。
22点目を獲られていた38分には、敵陣ゴール前左の密集近辺で強烈なレッグドライブを披露。2度目のフィニッシュなどで22-22とタイスコアにした。
遡って24分には、インターセプトを決めた相手選手へハードに刺さった。守りでも気を吐いたのだ。
35-29のスコアでプレーオフ行きを確定させ、安堵の顔つきだった。
「お互いのためにプレーしようと言い合ってきました。今週、勝たないとプレーオフ行き(の可能性)が厳しくなることは理解していました。重圧はありました。そんななか、規律を改善し、ゲームプランをやり切ることができた。フィールドに立つ15人それぞれが与えられた役割をやり切れば、組織としてどんなプレッシャーをも跳ねのけられます」
身長177センチ、体重95キロの韋駄天は、前年度はリーグ戦で全チーム最多の15トライを奪った。しかしその戦いの最中、右ひざに複数の大けがを負った。
2連覇を決めるプレーオフではフィールドに立てなかった。そもそも、全体練習へ戻ってこられたのがいまから約1か月前。新シーズンが中盤に差し掛かっていた。術後のリハビリへ時間をかけた。
チームは今季、第13節まで7連敗。雌伏の期間、ナイカブラは苦悩する仲間を見守るしかできなかった。自宅へ戻ると、長女が自分のもとへ駆けよってくれるのが希少で貴重な喜びだった。
「家族のためだと思い、毎日のリハビリと向き合ってきました。勝てなくて苦しんでいるチームメイトの顔を見ているのは悲しく、申し訳ない気持ちになることもありました。そんななかで自分のできることは、ポジティブでいることでした」
目下のブレイクは、耐えてきた日々の末にある。
カムバックを祝福されるトライゲッターは、「(ブルーレヴズ戦では)2トライとタックルをいくつか。チームを助けられていたらいいなと願うばかりです。ただ、前半の途中から疲れはあった。ゲームフィットネスはまだまだ仕上げなければ」と引き続き謙虚に過ごす。




