コラム 2026.03.16

【ラグリパWest】続けてゆく。第5回ナナイロカップ開催

[ 鎮 勝也 ]
【ラグリパWest】続けてゆく。第5回ナナイロカップ開催
ナナイロカップはこの3月20、21日で5回目開催になる。女子15人制と太陽生命ウィメンズセブンズシリーズをつなぎ、7人制幕開けの大会として、認知度は上がっていっている。写真は昨年の決勝、ナナイロ プリズム福岡×ながとブルーエンジェルスから

 ナナイロカップは5回目を迎える。キリのいい数字になった。

 正式名称は「北洋建設presents Nanairo CUP北九州」。女子セブンズ(7人制)の2026年度の幕開けと言っても過言ではない。

 大会は3月20日と21日の2日開催。今年は春分の日の祝日と土曜になった。初日は予選、2日目は決勝だ。会場はこれまでと同じ福岡のミクニワールドスタジアム北九州。JR小倉駅から至近にあり、入場は無料である。

 今年はホストチームのナナイロ プリズム福岡を含め12チームが参加する。国内10、海外は2。昨年より2チーム増えた。
「元々この数でやりたかったのです」
 大会の事務局長である小早川卓也は満足感を漂わせる。その充実が数字に表れる。

 主催は日本ラグビー協会。共催はスタジアムを持つ北九州市とナナイロ プリズム福岡を運営する一般社団法人の「Nanairo lab」(ナナイロ ラボ)になる。45歳の小早川はこの一般社団法人の事務局長でもある。

 大会にはながとブルーエンジェルスも出場する。昨年、4戦制の太陽生命ウィメンズセブンズシリーズで総合優勝し、史上初の3連覇を果たした。ナナイロ プリズム福岡は昨年、ナナイロカップで初優勝しており、ディフェンディング・チャンピオンとして迎え撃つ。

 昨年、4回大会は2月の初旬の開催だった。今年は1か月半ほど後ろにずらした。その理由を小早川は説明する。
「去年は雪が降ったりしました」
 選手の体調面に配慮した。従前より、よりよいパフォーマンスが出るのは必至だ。

 グラウンド内だけでない。ファンの拡大を狙う取り組みはその外でもさまざまに展開される。主にスタジアムの南側にはキッチンカーや出店など、北九州を中心に営業する11店がやってくる。昨年より3店増えた。

 昨年同様、Bakeryまほろばが大会記念として、春らしい「ラガールいちごメロンパン」を販売する。佐嘉酒造は日本酒をソーダで割った「SAGAハイ!」を提供する。佐賀にあるこの酒蔵は協賛の北洋建設を中核とする「地域みらいグループ」に属している。

 このほかにも、ハンバーガー、タコライス、焼き肉丼、おでん、たこやき、うどん、果物を使ったスイーツなど、スタジアムを動くことなく、美味しいフードを堪能できる。

 スタジアム内には2年連続で臨時託児所もオープンする。子ども連れでも試合に集中できるように考えられている。協力するのは九州女子短大。保育の時間はおおむね1日の試合に準じている。

 子供と遊びたい家族には遊具「ふわふわアンパンマン」が用意される。その中にはすべり台がある。また、2日目には地元・福岡県のテレビヒーロー、「ドゲンジャーズ」のオーガマンとキタキュウマンが登場する。2人は会場でのお出迎えや表彰式も手伝う。写真撮影の時間も設定されている。

 子どもが興味を持つパトカーや白バイもやってくる。初日には警察とのふれあいイベントがある。小倉北署が協力する。乗車や写真撮影が可能だ。スタジアムの西側にある浅野町緑地で開催される。

 2日目には献血車も来る。日本赤十字社と協力して献血を呼びかけ、冬季の輸血の不足解消の一助とする。ナナイロラボには3つの活動の柱があり、そのうちのひとつが社会貢献である。献血はそれにあたる。

 残り2つはナナイロ プリズム福岡の運営。そして、重度のスポーツ障害、頸椎損傷などに対する医療従事者を中心にした対応である。ナナイロラボのCEO(最高経営責任者)はラグビー経験者で整形外科医の村上秀孝ため、その活動は医療により近い方向になる。

 今回も懸賞抽選会がある。北九州近隣の約190ある小中学校にちらしを送付した。このちらしを受付に持っていけば、抽選番号の入った入場券と交換してもらえる。後刻、ラグビーグッズなどが当たる抽選に参加できる。大会事務局でこの発送作業やSNSによる告知に従事したのは桑木貴陽子である。

 また、大会を盛り上げるために今年からコスプレ来場を歓迎する。小早川は話す。
「卑猥なものや差別的なものでない限り、問題はありません」
 範をとったのは香港セブンズ。観衆は思い思いの衣装でやってくる。

 そのコスプレも含め、観客動員の目標を2日間で10000人に定めた。昨年は2日間で4000人だった。大会事務局はコスプレを解禁することと3月下旬の暖かい時期の開催により、大きな来場者増を見込んでいる。

 ナナイロ プリズム福岡にとっても大きな大会になる。新ヘッドコーチの久木元(くきもと)孝成の本格的なデビュー戦になるからだ。桑水流(くわずる)裕策はヘッドコーチからコーチングディレクターに異動した。

 久木元は42歳。アシスタントコーチから昇格した。大分舞鶴から早稲田大、そして九州電力(現・九州KV)で競技を続けた。現役時代はSO。父の孝行は九州ラグビー協会のトップ、会長である。

 この大会は国内女子の15人制シーズンと太陽生命のセブンズシリーズをつなぐものであり、今年の7人制を占うにはもってこいである。各試合はYouTubeを通してライブ配信される予定だ。

 小早川は言う。
「準備は前回大会が終わってから1年をかけてやっています」
 今大会では初めてナナイロ プリズム福岡とニュージーランドのチームが合同でラグビー教室を近隣の小学校で実施する。地域により根差した大会にするため、ナナイロカップは進化をし続けている。

◆2026年参加チーム(国内10、海外2)◆
ながとブルーエンジェルス
YOKOHAMA TKM
ナナイロ プリズム福岡
自衛隊体育学校PTS(Physical Training School)
女子SDSシニアアカデミー(SDS=Sevens Development Squad、代表に下に位置する)
追手門学院大 VENUS
日本経済大 AMATERUS
早稲田大
アザレア・セブン
神戸ファストジャイロ
Ratana Wāhine Rugby(ニュージーランド)
アジアン バーバリアンズ(韓国、香港、タイなどの選手で構成)

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