【リーグワン】ワイルドナイツ、驚異的な粘りで劇的逆転。スピアーズとの大一番制す。
■リーグワンD1第11節
・3月14日@秩父宮ラグビー場(東京)
【埼玉WK 32-30 S東京ベイ】
ともに9勝1敗でトップ3を形成する首位クボタスピアーズ船橋・東京ベイと3位埼玉パナソニックワイルドナイツが激突した、3月14日の第11節。秩父宮ラグビー場に1万6647人の観衆を集めておこなわれた一戦は、今季の優勝争いを占うにふさわしいハイレベルな攻防が連続する80分間となった。
前半、優勢に試合を進めたのはワイルドナイツだった。SO山沢拓也、WTB竹山晃暉、FB野口竜司の3人を軸にキックゲームで優位に立ち、いいポジションでアタックの機会を作り出すと、14分に力強い連続攻撃から相手レッドゾーンへ攻め込み、CTBダミアン・デアレンデが突き抜けて5点を先制する。
しかしスピアーズもすかさず反撃。直後のターンでWTBハラトア・ヴァイレアが約45メートルのロングPGを通して3点を返すと、24分には相手陣22メートル線付近のラインアウトを起点に自慢のFWラッシュでたたみかけ、ラックサイドの穴をSH藤原忍が仕留めて10-5と逆転した。
もちろんワイルドナイツも黙ってはいない。31分、ディフェンスでプレッシャーをかけてもぎ取ったペナルティをSO山沢拓也のショットで3点に替えると、34分にも山沢がキックカウンターから抜け出し、がら空きのスペースへ蹴り込んだボールを竹山が押さえる。15-10とワイルドナイツが先行して、前半を折り返した。
一進一退の展開は後半も続く。開始3分、スピアーズがスクラムからのサインプレーでWTB根塚洸雅のトライを生み出せば、ワイルドナイツも6分にSO山沢が右中間のPGを通し、18-17と逆転。
しかしここからはイエローカードで一人少ないスピアーズが持ち前の推進力を発揮してペースを握り、18分にゴール前のスクラム起点のアタックからLOデーヴィッド・ブルブリングがねじ込んでふたたび前に出る。24分にはFBショーン・スティーブンソンがハーフウェーライン付近からPGを決め、スコアは27-18まで広がった。
ただ、本当の勝負はここからだった。追いかけるワイルドナイツは29分、中盤でのSO山沢の鋭いラインブレイクから相手ゴールラインに迫り、防御ライン裏へのキックに反応したLOオッキー・バーナードが右コーナーに飛び込む。
その後、スピアーズが33分にSOバーナード・フォーリーのPGで3点を加え、スコアは30-25に。さらに相手陣へ攻め込み、そのまま押し切るかに思われた。
しかし、限界に近い疲労と極限の緊張感の中でも、ワイルドナイツの闘志と集中力は衰えなかった。35分過ぎ、相手のキックボールを自陣22メートルライン内で確保してアタックに転じると、丁寧かつ果敢にボールを動かしてゲインを重ね、ジリジリと陣地を盛り返す。
場内にホーンが鳴り響いた後もワイルドナイツの猛攻は続き、迎えた37フェーズ目。ゴール前のラックから途中出場のSH萩原周が右タッチライン際へ長いパスを投じ、FB野口がトライゾーンへ飛び込む。これで30-30に。
スタンドのファンが固唾を飲んで見守る中、難しい角度からSO山沢の蹴り込んだボールはまっすぐな軌道でゴールポストの間を通過。ドラマチックな幕切れでワイルドナイツがスピアーズとの大一番を制し、今季一番乗りで10勝目を手にした。




