「忘れられない日になりました」。上ノ坊駿介[天理大→コベルコ神戸スティーラーズ]
衝撃のデビュー戦だった。
プロ契約で地元のコベルコ神戸スティーラーズに入団した上ノ坊駿介だ。
アーリーエントリー第1号で、リーグワン初キャップを掴んだ。
ディビジョン1のほぼすべてのクラブから声がかかった、いわば「ドラフト1位」。高いスキルを誇り、大胆な仕掛けも魅力だ。現在天理大学の4年生で、今季は共同主将を務めた。
ホームのユニバー記念競技場に現れたのは2月7日。静岡ブルーレヴズとの第7節でいきなり先発を託され、今季1年間担った10番ではなくFBの位置に入った。
前半7分にいきなりチームの先制トライを挙げると、23分、30分にもトライラインを越える。前半だけで3トライをマーク。60-45での勝利に貢献した。
デイブ・レニーHCが「(活躍は)3トライだけではない」と話すように、度重なるロングゲインやハイパントキャッチ、そして強力なタックルでも魅せた。
ファーストプレーはブルーレヴズが誇る弾丸ランナー、WTBヴァレンス・テファレを止めるタックルだった。
その際に頭部を出血して「えぐいな」と感じながらも、「止められた」からひるまなかった。
80分間プレーし、プレイヤー・オブ・ザ・マッチにも選出。「相手のディフェンスがプレッシャーをかけてくるタイプではなかったので、プレッシャーを感じたりフィジカルを使う場面で通用するかは分からない。まだまだこれから」と謙遜するも、「忘れられない日になりました」と破顔した。
チームに合流したのは1月末だ。NZ代表キャップ109を持つ共同主将、LOブロディー・レタリックをして、「一番のサプライズは、先発に指名されてもまったく動じなかったこと。まるで1年中ここにいたかのように自然と溶け込んでいた」と言わしめた。
当の本人の振り返りはこうだ。
「はじめは緊張しましたけど、めざましテレビの占いの1位がてんびん座が1位だったので気分は良かったです。好きなことを思い切りやろうとあったので、思い切っていきました」
この日は試合後も慌ただしかった。天理大学ラグビー部の卒部式もあったからだ。
その前には、不運にも無作為に選ばれるドーピング検査の対象になり、治療と取材対応も重なった。
チーム関係者の計らいもあり、時短のために後者の二つを同時に対応。横たわってドクターの処置を受けながら、報道陣の質問にも答える異様な光景だったが、笑顔を絶やさなかった。
話題は天理大の仲間たちにも及び、「まずは遅れてごめんと言いたいですね。今日が特別な日になったことも共有したい」と答えた。
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