【2025年度戦力分析・帝京大学】主将も挑む熾烈な定位置争い。

[帝京大学(昨季大学選手権 優勝/関東大学対抗戦A 2位)]
大学選手権4連覇中のチームにおいては、主将のCTB大町佳生(4年)が厳しい定位置争いの渦中にある。本人が「いまベストなメンバーをグラウンドに立たせるのがチームとしてすべきこと。そんななかでも自分の役割を果たす」と頷く状況は、他の追随を許さぬ選手層の表れでもある。
スキッパーと同じポジションでは、防御の感覚に秀でる上田倭士(3年)、突破力のある佐藤楓斗(2年)が存在感を発揮。ランとキックに長けるSO本橋尭也(3年)と中盤を締める。WTBでは鋭い生田弦己(4年)、頑丈な日隈太陽(4年)といった前年度の主力格のほか、吉田有佑(3年)も大きなストライドで台頭する。FBでは吉田琉生(1年)が思い切りのよい走りを披露。相馬朋和監督には「何かをしてくれそうじゃないですか。そのうえ、『どうすればいいですか』と聞いてくる子でもある」と、独創性と真面目さを褒められる。
FWでは地上戦に強いLO福田大和(2年)、タックルの目立つPR森山飛翔(3年)が、日本代表のエディー・ジョーンズHCにも将来性を買われている。LOアントニオ・フィシプナ(1年)、NO8カイサ・ダウナカマカマ(3年)はパンチ力があり、下働きも光る。
猛練習で培う強靭さと粘りを部是とするチャンピオンチームにあって、今季の象徴となるのがFL河村ノエル(4年)。身長175センチと小柄ながら大型走者へ臆せず突き刺さる。普段は学生コーチを務め、大町が控えの際はゲーム主将を担う。首脳陣のひとりも「共同主将とは謳っていないが(それに相当する)」と信頼する。
(文:向 風見也)
※ラグビーマガジン10月号(8月25日発売)の「大学ラグビー主要3リーグ各校戦力分析」を再編集し掲載。掲載情報は8月18日時点。
<夏季練習試合 結果>※Aチーム戦のみ
8月17日 vs早稲田大○35-17
8月24日 vs明治大○28-21