大舞台で50キャップ? サクラフィフティーン齊藤聖奈は強国にも物おじせず。

齊藤聖奈は積み上げてきた。
サクラフィフティーンこと女子15人制ラグビー日本代表では主将経験を担うなど、ここまで48キャップ(代表戦出場数)を獲得。8月からのワールドカップイングランド大会で、50の大台に乗る可能性がある。
本人はこうだ。
「あまり細かく数えたこともなかったんですけど、メディアの皆さんが書いてくれるのを見て『あー』と。ひとつでも多くの試合に出て貢献できるよう、ハングリーにやっていきたいです」
身長164センチ、体重72キロ。過去には最前列のHOを経験しながら、現在はFL、NO8といったFW第3列を支える。片手一本でも走者を捕まえる気迫、タックラーの懐をえぐってトライラインへと迫れる突進力が光る。
昨春には、日本人で初めてスーパーラグビー・アウピキに挑戦。ニュージーランドのチーフス・マナワに在籍した。
「コリジョン(衝突)はひとつ、レベルを上げられた。(世界では大抵)自分たちより大きい相手と戦うことになるので、フットワークを使ってずらしてタックルを『ずらす』。自分たちがタックルする時は、日本人らしく低く。これはスーパーラグビーでも嫌がられていました」
当時はブラックファーンズことニュージーランド代表で主将を張る、ケネディ・サイモンの自宅へホームステイ。行動を共にできた。
「ブラックファーンズが普段どう過ごしているか、どうリーダーシップを取っているか肌で感じた。いい経験ができました。チーフスにはブラックファーンズの選手が多かったんですけど、皆、人間なんだなと感じました! 遠い存在ではあったので『人間離れしているのかな』とか思っていたんですけど、普通に人間で、自分たちと変わらない人でした!」
出場が叶えば自身にとって3度目となるワールドカップにおいても、ブラックファーンズとぶつかる。相手を過大評価せず本番を迎えられそうだ。
「(そう捉えるよう)皆にも伝えています」
現在33歳。ベテランと目されがちも衰えは知らず。己に限界を定めない。
大会後のキャリアプランについて聞かれたら、「今年3月にレスリー(・マッケンジーヘッドコーチ)にも同じようなことを聞かれた」と笑い、続ける。
「特に『集大成!』とかいうことは思っていなくて。ひとつひとつ、目の前のことをクリアしていくだけだなと思っています」
まずは26日、東京・秩父宮ラグビー場での対スペイン代表2連戦の最終戦へ先発する。NO8を担う。