ワールドラグビー、アルゼンチン対イングランド戦の人種差別的発言に対し非難の声明。

国際統括団体ワールドラグビー(WR)は7月21日、今月12日にアルゼンチンのサン・フアンでおこなわれたアルゼンチン代表対イングランド代表戦の試合中、観客がイングランドの選手に人種差別的な発言をした事案に関する声明を発表。「ラグビーや社会において差別、暴言、ヘイトスピーチが存在する余地は一切ありません」と宣言した。
12日にアルゼンチン対イングランドの第2テストマッチの試合中に、観客からイングランドのセンスに向けた人種差別的発言があった。イングランド協会(RFU)は15日、WRに公式の申し立てをおこなった。なお試合は22-17でイングランドが勝利した。
WRはアルゼンチン協会(UAR)と協力して目撃者の証言、ビデオ分析などの調査を実施。事件が発生したことは明らかながら、加害者の特定はできなかったと発表された。WRとUARは本件を受け運営の強化、ファンへの啓蒙および再発防止に向けた行動計画を策定したという。
WRのブレット・ロビンソン会長は「ラグビーはいかなる差別的行為も完全に非難します。私たちは当事者である選手たちを全面的にサポートし、またラグビーは彼らと共にあり人種差別に反対することを知ってもらいたいです。非常に苦しい経験であったに違いないことを提起した彼らの勇気に拍手を送ります」と語っている。
RFUのビル・スウィーニーCEOは「全ての選手は、そのバックグラウンドに関わらず、差別や暴言から解放され、誇りと尊厳をもって国を代表する権利があります。我々は被害を受けた選手たちと緊密に連絡を取り合っており、全面的な支援を申し出ています」と対応を明かした。
UARのガブリエル・トラヴァリーニ会長は、5〜7人とされる加害者の特定はできなかったとしながらも「WRと協力してファンへの啓蒙と同様のケースを根絶するための取り組みを続けます。また私たちのイベントがすべての人を尊重し、受け入れる空間であることを保証します」と述べた。