各国代表 2025.07.13

南アフリカ代表“スプリングボクス”が奇策でイタリアを翻弄。7トライ奪い完封勝利。

[ 編集部 ]
南アフリカ代表“スプリングボクス”が奇策でイタリアを翻弄。7トライ奪い完封勝利。
ハイボールを競るマカゾレ・マピンピ(Photo/Getty Images)

■男子インターナショナルマッチ
・7月12日@ネルソン・マンデラ・ベイ・スタジアム(ポート・エリザベス)
【南アフリカ 45-0 イタリア】

 世界ランキング1位の南アフリカ代表“スプリングボクス”の7月国内テストマッチシリーズ「キャッスルラガー・インカミング・ツアー」。同10位のイタリア代表と対戦する第2テストマッチがおこなわれた。

 南アフリカはキックオフから“奇襲”をかける。SOマニー・リボックのショートキックをハーフウェイラインから少し進んだところでCTBアンドレ・エスターハイゼンがキャッチ。当然ノット10メートルラインのファウルだが、南アフリカのねらいはこの「スクラム」だった。結局アーリープッシュでイタリアにフリーキックを与えることになったが、南アフリカ最大のストロングポイントを試合開始から前面に押し出す試みであった。

 揺さぶりの甲斐もあり、試合の流れをつかんだ南アフリカ。前半9分に自陣右サイドのスクラムから左に展開、WTBエドウィル・ファンデルメルヴェのゲインからSHグラント・ウィリアムがフィニッシュしたトライで先制する。続く16分にもトライライン前のスクラムから右サイドにスウィング、WTBファンデルメルヴェが飛び込みながらエッジにグラウンディングし10点のリードを奪った。

 順調な南アフリカであったが、21分に両チームがエキサイトする中でNO8ヤスパー・ヴィーセが相手に頭突きし一発レッドカードをくらう。「20分レッドカード」適用外となり、今後60分間は14人以下でゲームを進めることになったが、この程度のハンディキャップはものともしない。31分にこの試合で100キャップのFBウィリー・ルルーのグラバーキックがバウンドの妙でイタリア守備陣の裏をつき、WTBファンデルメルヴェが2本目のトライを決めた。

 38分のCTBキャナン・ムーディーのトライの前には、フィールドプレー中にラインアウトのようにパスのレシーバーをリフトしてモールを組んだ。リフト形成中の相手からのタックルを防ぐことになり、プッシュする南アフリカに有利な状況を作る。このプレーでモールコラプシングのアドバンテージを得るなど有効に作用していた。

 24-0の南アフリカリードで迎えた後半も試合の流れは変わらない。この試合、南アフリカはペナルティが多くイタリアも反撃の機会をうかがうも、ラインアウトでは南アフリカのプレッシャーにより機能不全に陥りマイボールキープができない。

 イタリアを無得点に抑えながら、後半40分間に3トライ3ゴールを加えた南アフリカが、トータルスコア45-0で勝利。トリックプレーの実証試験も兼ねた、まさに“テスト”マッチで相手を圧倒した。

 南アフリカはシリーズ2連勝、19日はネルスプロイトでジョージアとのシリーズ最終戦をおこなう。

PICK UP