【太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2025/第1戦・熊谷大会】PEARLS、4年ぶりの優勝。タリア・コスタがMVPを受賞


試合終了後のミックスゾーンでの山中美緒主将の笑顔がすべてを物語っていた。
「久しぶりの優勝は本当に嬉しいし、チームメイトを誇りに思います」
6月21、22日におこなわれた『太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2025』第1戦・熊谷大会は、PEARLSが東京山九フェニックス(以下、フェニックス)を28ー12でくだし、2021年の静岡エコパ大会以来の頂点に立った。
今季は経験豊富な外国人選手と実力を兼ね備えた選手たちが加わった。「経験値の高い選手と、もともといるメンバーが融合しバランスのいいチームになりました」と山中主将が話すように、決定力が高くディフェンスでも大崩れしないチーム力の高さが光った。
決勝戦開始早々、その力を見せつける。オリブ・ワザーストンが先制のトライをマーク。わずか2分での出来事で、コンバージョンも成功し、ゲームを動かした。
フェニックスも相手ゴール前で得たペナルティから速攻を仕掛けサバナ・ボッドマンがインゴールにボールを置き同点に追いつくが、PEARLSの圧倒的な攻撃力に、徐々にディフェンス網にほころびが生じ始める。
前半の終了間際、中盤で左へ展開したPEARLSは、庵奥里愛がディフェンスのギャップを突いて抜け出すと、そのまま走り切った。須田倫代のキックも成功。14ー7で折り返した。
「12人全員でアタックもディフェンスもコネクトできました。この大会にむけて準備してきた成果がでました」
貴重な追加点をマークした庵奥は試合後、こう振り返った。

後半のPEARLSは、前半の終了間際に受けたフェニックス・山本梨月のシンビンによる一時退場で数的有利を得て入った。そして2分、チャンスをしっかり得点に代える。
相手ゴール前で左に大きくボールを動かすと、オリブ・ワザーストンの厚いサポートから、最後は須田が駆け抜けた。Gも決まり、この日、最大の14点差まで得点を広げた(21ー7)。
4分に、サバナ・ボッドマンにこの試合、2本目のトライを許したが、決して慌てることはなかった。1分後、自陣深い位置でパスをもらったタリア・コスタが、持ち味のスピードを活かしてそのまま左ラインを走り切りトライ。大会通算9つ目のトライは、チームの勝利を呼び込む大きなものになった。
その後は互いに意地と意地のぶつかり合いで得点を許さず。
ファイナルスコアは28ー12。PEARLSが圧勝のゲーム運びだった。
接点での激しさと献身的なプレーでチームの優勝に貢献したサラ・ヒリニは「2日間くらいはみんなでこの優勝をかみしめたい」と話しながらも、最後はスタッフへの感謝も忘れなかった。
「このチームには、素晴らしいコーチングスタッフがいてくれます。その一人がHCのコナー(・ヒリニ)であり坂井(克行)コーチです。彼らがしっかりしたチーム作りをやってくれるおかけで、いいトレーニングやワークアウトができるのです」
2025、年間王者を目ざすPEARLSのこれからに注目したい。 なお、第2戦・北九州大会は、7月20日から21日にかけてミニワールドスタジアム北九州でおこなわれる。