日本代表 2025.06.22

代表復帰の中野将伍、地元凱旋の大一番で「味方のトライに繋がるプレー」を。

[ 向 風見也 ]
代表復帰の中野将伍、地元凱旋の大一番で「味方のトライに繋がるプレー」を。
宮崎で取材に応える中野将伍(筆者撮影)

 攻めの質を変える。中野将伍は静かに言う。

 6月16日からラグビー日本代表の宮崎合宿に参加している。過去に7度の代表戦(テストマッチ)に出た28歳が、現体制下で初めて招かれた。

 9年ぶりに復帰して2年目のエディー・ジョーンズヘッドコーチは、『超速ラグビー』を謳う。接点からの球を出し、展開、転倒後の起き上がりと万事に機敏さを求める。

 中野は身長186センチ、体重97キロのサイズで突破力のあるインサイドCTBだ。自身の強みで、チームがしたいようにプレーする手助けをしたい。

「CTBは(フィールドの)真ん中で勢いを作って、次のフェーズにより速い球を出せるように。また、スペースが空いていたら外に(パスを)運ぶ判断を」

 守りにも注力する。オブザーバーとして参加のギャリー・ゴールド氏の指導のもと、一枚岩となって鋭い出足でタックルするのを目指す。

「(選手間の間合いを)広くし過ぎたり、狭くし過ぎたりすると、(スペースが生まれやすい)外にストレスがかかる。正しいスペーシング、相手を見て(急所を埋めるように)立つことが大事になります」

 20、21日に公開された実戦形式の練習では、再三、衝突局面にチャレンジした。

 6月28日には東京・秩父宮ラグビー場で、JAPAN XV名義によるマオリ・オールブラックス戦に臨む。

 さらに7月5、12日には日本代表として、対ウェールズ代表2連戦を迎える。

「いつでも(試合が)できるよう準備しておくだけかなと」

 最初のゲームは福岡・ミクニワールドスタジアム北九州である。中野にとっては地元の会場だ。地元の鞘ヶ谷ラグビースクール、東筑高を経て早大、東京サントリーサンゴリアスでキャリアを積んできた中野は、淡々と宣言する。

「味方のトライに繋がるプレーができたら」

 その頃は猛暑日が続きそうで、いまいる宮崎でも強い日差しを浴びている。

「暑い中で、チームがやろうとしている動き続けるラグビーを。慣れていくのが大事です」

 早朝からトレーニングに臨む。セッションの合間は、同僚と拠点のホテルのカフェに出かける。

 大体が2人部屋だが、中野は20日の時点で1人部屋とのことだ。

 相部屋が必要ならばリラックスしやすいのでは、との問いに、「そう、かもしれません」と微笑んだ。

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