「練習は7対7ができなかった」。大阪府警察、関西セブンズ連覇の裏側。

関西ラグビー協会の100周年を記念し、2日間(4月19、20日)に渡って開催された「関西セブンズフェスティバル2025」。
社会人・クラブ・オープンの部で、大会初の連覇を果たしたのは大阪府警察だ。
3年連続同カードでの決勝で、中部電力に42-7と快勝した。
就任4季目の大久保洋志監督は「安心して見ていられた」と話し、勝因に「しっかりチームをまとめてくれた」というキャプテン、廣田瞬の存在を挙げた。
廣田は京産大出身のSH。同校を15年ぶりの大学選手権4強入りに、共同主将の一人として貢献した。
キャプテンは言う。
「昨年ここで優勝してジャパンセブンズに出場させていただきましたが、準優勝で終わってしまいました。今年は優勝するために、まずは関西セブンズまで必死にやろうと」
発奮材料は他にもあった。
昨季のジャパンセブンズでの活躍を受け、白國亮大、志和池豊馬の2人が男子セブンズ日本代表に選ばれたのだ。
さらに松田信夫も、代表の候補メンバーとして遠征や合宿に参加していた。
「向こうはジャパンとして活躍しているので、僕たちも負けていられないと一生懸命に練習できました。3人に頼らず、自分たちだけでもできることを証明しようと。やってきたことが実ったと思います」
実際、今大会は志和池をケガで欠き、帰国してまもない白國は出場時間を制限していた。
大会に向けては、7対7で練習できない状況でもあった。
大久保監督は「少ない部員で手弁当でやってるようなチーム」と表現する。
「2週間前の練習試合では7人しかおらず、さらに当日にひとりケガをしたので、最後の練習試合は中止にさせてもらいました」
まとまな練習ができない厳しい環境を、廣田らはかえって力に変えた。
グラウンドの幅を狭めずに、5対5などをおこなった。
「5対5でやることで、よりハードワークしないといけない。そのおかげで試合で7人になった時に、より強いディフェンスを見せられた。今大会は失点が少なかったです(3試合戦って決勝の失1トライのみ)」
大久保監督は「自分のチームを褒めるのは好きではない」としながら、手放しで選手たちを称えた。
「きれいごとかとしれませんが、私は強い警察官の象徴にならなあかんと常日頃言っています。大阪府民の方から頼りがあるな、強そうやなっていうような思われるようなチームになろうと。それを若い子たちが汲み取ってくれる。私が現役の時はしんどい練習をしたら愚痴ばかり言っていましたけど、彼らはハードワークできる、泣き言を言わないです」
7月13日にはジャパンセブンズがおこなわれる。
そこで優勝し、国内で限定的な「公務員チーム」の矜持を示したい。
「今年はいろんなチームがマークしてくると思うので、去年のような戦い方はないぞとは伝えています。ですが、限られた時間と人数でもできるところを見せていきたい」

