国内 2025.05.05

【関東大学春季交流大会】東海大が大東大との撃ち合いを制し白星発進。

[ 三谷 悠 ]
【関東大学春季交流大会】東海大が大東大との撃ち合いを制し白星発進。
後半17分、およそ50メートルを走り切る見事なトライを決めた東海大FB黒澤航希(撮影:舛元清香)

■関東大学春季交流大会Aグループ・5月4日@東海大グラウンド
【東海大 55-40 大東大】

 5月4日、東海大グラウンドで関東大学春季交流大会がおこなわれ、関東大学リーグ戦1部の東海大が昨季の同リーグ王者・大東大を55-40で破り、初戦を白星で飾った。一方の大東大は前節の早大戦に続き、大会2連敗となった。

 昨シーズンの関東リーグ戦では33-33のドロー。まだ新チームが立ち上がったばかりとはいえ、年度をまたいでの決着の一戦は前半から意地がぶつかり合った。

 先制点は大東大。6分、相手の反則に乗じてエリアを進め、敵陣ゴール前のラインアウトを起点に左のオープンスペースへ。最後はキャプテンのSO伊藤和樹の飛ばしパスを受けた、1年生FB吉岡聖太がディフェンスの隙間を突いて左中間に飛び込む。ルーキーの活躍で先にスコアを動かした。

 東海大も2分後、CTB古屋健太朗のトライですぐさま7‐7の同点に追いつくと、一気にペースを握る。特にブレイクダウンの局面で上回り、昨季のチャンピオンチームにペナルティがかさんでいく。

 18分と26分に敵陣ゴール前でのマイボールスクラムを生かし、いずれもNO8カストン・フォヌアがサイドを突いてトライエリアに侵入。さらに33分にはモールを押し込み、4連続トライで24‐7とリードを大きく広げる。

 しかし大東大も黙っていない。直後のキックオフボールにチェイスを仕掛け、激しいタックルで落球を誘う。FL齊藤泰靖が拾って反撃の狼煙をあげるトライを奪うと、ロスタイムには伊藤のオフロードパスに反応したWTB山田真生が右スミに飛び込む。
 19-24と1トライ1ゴールで逆転可能なスコアで前半を折り返した。

 後半はさらに大きく得点が動く。
 15分までに東海大がモールで2本を奪えば(※HO川村航平がハットトリックを達成)、その間の9分に大東大は、BKの巧みなつなぎからWTB大方維織が抜け出してゴールラインを陥れるなど拮抗した展開が続く。

 17分、センターライン付近でボールをもらった東海大FB黒澤航希が、巧みなコース取りで次々とモスグリーンのジャージーの間をすり抜ける。およそ50メートルを走り切って、スコアは43‐26。勝負ありと思われたが、大東大に諦めの気配はない。

 24分、敵陣深い位置で左右にボールを振り続け、最後はCTB小澤匠が仕上げて33‐43と10点差に。その5分後にはFB吉岡が右に大きくスワーブを切り、相手ディフェンスを瞬く間に置き去りにして、ついに3点差まで迫った(40-43)。

 しかし、直後に勝負を分ける場面が訪れる。
 32分、自陣ゴール前で10フェーズにおよぶ東海大の猛攻を懸命のディフェンスで耐え切ると、ロングキックで一気に敵陣中盤へ。伊藤と山田のチェイスでボールキャリアに襲いかかったが、相手の帰陣も早く、ターンオーバーには至らず。逆転の好機を逃した。

 ここから再度ギアを入れ直した東海大は、35分とロスタイムにトライを追加。激闘に終止符を打った。

 屈強なフィジカルと精度の高いセットプレーを軸に得点を重ねた東海大に対し、素早い切り返しから好ランナーを生かした大東大。前後半を通して、お互いの特長を出し合った好ゲームだった。

 チームを勝利へと導いた木村季由監督は、「タックルやディフェンスなど練習している部分は表れていた。まだアタックは手をつけていないが、取り切るところで取り切らないと去年のように余計な負けが増えてしまう。しっかりした試合運びのできるチームにしていきたい」と、冷静に開幕ゲームを振り返った。

 一方、惜しくも敗れた大東大の伊藤主将は、「ミスで(トライを)取られる場面が多かった。速いランナーがいるので、BK全体で外で取り切れるプランをしっかりと作っていきたい」と、今後の課題を口にした。 

<次戦日程>
・5月11日(日)東海大 vs 早大@早大グラウンド
・5月18日(日)大東大 vs 帝京大@帝京大グラウンド

前半35分、反撃の口火を切るトライを挙げた大東大FL齊藤泰靖(撮影:舛元清香)

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