秋田から世界へ。セブンズ日本代表・丸尾崇真がチームディレクター兼選手を務める「秋田7sチーム」が発足。

将来的に見据えるのは世界の舞台だ。まずはそのための環境作りに着手する。そんな取り組みが、秋田で新たにスタートした。
トップイーストBグループに所属する秋田ノーザンブレッツRFCが、この春より7人制ラグビーチームを発足させた。その名も「秋田7sチーム」。
ノーザンブレッツの15人制チームと連携しながら活動し、国民スポーツ大会の優勝、さらには世界を舞台に戦うチームとなることを目指していく。
4月30日には、秋田市内の秋田スポーツPLUS・ASPスタジアムで発足記者会見が催された。会見にはノーザンブレッツの三浦廣巳会長、古屋亮太GM、福田恒輝HC(オンライン)、そして選手兼任でチームディレクター(TD)を務めるパリ五輪7人制ラグビー日本代表の丸尾崇真が出席。発足の経緯や強化方針、今後の展望などが説明された。
ノーザンブレッツは現在、リーグワン昇格を目指しトップイーストで戦っているが、毎年秋に開催される国民スポーツ大会(成年は7人制ラグビー)とトップイーストの公式戦が重なり、戦力や練習環境が分散してしまうという課題を抱えていた。これに対し、セブンズプレーヤーの競技力向上のための環境整備を模索していた丸尾TDのビジョンが合致。そこから今回の秋田7sチーム設立へと話が広がっていったという。
メンバーについてはノーザンブレッツの15人制チームと兼任でプレーする選手に加え、セブンズ専任の選手や地元の大学生などで構成。すでに4月第2週から練習をおこなっており、現在は丸尾TDを含めて16名で活動している。
なおセブンズプレーヤーの育成・競技力向上のために門戸は常にオープンにしており、「興味のある選手はどんどんここでチャレンジしてほしい」(丸尾TD)とのことだ。
15人制と7人制を同一チームで共存・連携しながら活動する日本初の試みとなるこの「秋田7sチーム」。理念に掲げるのは、競技力向上はもちろん、地域活性や人材育成の新たなモデルケースとなっていくことだ。
古屋GMは、「“ラグビーで秋田を元気にする”というノーザンブレッツのクラブ理念を具現化していきたい」と意気込みを口にする。
その初陣となるのは、5月3日におこなわれる東日本クラブセブンズ(@熊谷ラグビー場)だ。さらに6月上旬のピリカモシリセブンズにも出場予定で、両大会で好成績を収め、7月13日に秩父宮ラグビー場で開催されるジャパンセブンズ2025への出場権をつかむことが、直近のターゲットとなる。そこで手応えをつかみ、10月上旬に滋賀県でおこなわれる国民スポーツ大会での飛躍へとつなげていきたい。
ワールドシリーズで過去最高の成績を収めるなど女子の躍進が目立つ半面、男子は環境整備が進まず、停滞状況が続いていた国内のセブンズシーン。その突破口を開く存在となっていくことが期待される。