「新潟食農大がリーグ戦2部デビューで大きな一勝。関東大学リーグ戦セブンズ大会2025」

関東大学リーグ戦に所属する大学のセブンズ大会、「関東大学ラグビーフットボール連盟SEVENS ASIDE大会2025」が、4月27日に開催された。
1部と2部の16チームによるAブロックは、法政大ラグビーグラウンドに集った。この中には今季から初めて2部で戦う新潟食料農業大ラグビー部の姿もあった。
1回戦は朝9時のオープニングゲームで、昨年度リーグ戦1部王者の大東文化大と対戦。開始1分すぎに大東があっさりと先制すると、前半3トライし19-0とリードする。食農大も後半、左隅に仕留め初得点を奪ったが、大東はスクラムから継続しディフェンスを破り5点を加えた。
この日、新潟のゲームキャプテンを務めた柴崎尋(4年、前橋育英)は話す。「ディフェンスで一人一人のスペースがあきすぎて取られた」。
フィジカルで劣る食農大は詰めすぎると大外を狙われる。しかしここから食農大が会場を沸かせた。6分、スクラム起点で5点を奪うと、終了前にもトライゾーンへ運んだ。24-17と勝利に迫る戦いだった。
「アタックが通用したことに自信が持てた」と柴崎。
そして1回戦敗者が回るコンソレーション1回戦。食農大の相手は2部で競うことになる白鷗大だ。
2分、白鷗がスクラムから先制するが、食農大も5分に7点を返し同点とした。後半、歓喜が食農大へ。反則を得るとすぐに仕掛ける。2番をつけた能勢響生が中央へ運んだ。
能勢は4月に入学したばかりの1年生。強豪校・常翔学園から食農大へ入学した。14-7。しかし白鷗はリスタートのボールを確保し、トライゾーンへ。これで同点。
5分に食農大・能勢、6分には白鷗が加点、Gも決めて21-21。そして食農大のラストプレー中に試合終了をつげるホーンが鳴った。ボールは左タッチ際の能勢へ渡る。本職CTBの若駒がポスト左へ決めた。G成功し28―21、歴史に名を刻んだ。
能勢は昨年度の全国大会(冬の花園)は準決勝で23番をつけてメンバーに入った(東海大仰星に26-29で敗戦)。しかし「出番はありませんでした。去年1月にあった裏花園(サニックスワールドラグビーユース交流大会2024予選会)で、新潟食農大の谷崎先生(重幸監督)に誘っていただいて選びました」。
バックアップメンバーとして観戦した今季の主将、PR/LO渡邉太気(4年、石見智翠館高)は開幕試合前に語った。「今年も目標はこれまでと変わりません。毎年、新しいステージで戦うこと。高みを目指していきたい」。

食農大は今春、15人制で2試合(40分ずつ)練習試合を戦った。1週間前の20日は中央大Bに0-14、國學院大Bにも0-56とゼロ封負けを味わった。「ノートライで終わったことが悔しい」。
コンソレーション2回戦では1部再昇格を目指す拓殖大に8トライを献上しピッチを去った。谷崎監督は選手たちに「良い経験になっている」と諭す。5月は11日に金沢学院大と対戦し、24、25日は流通経済大に胸を借りる。6月も格上との練習試合を組んでいる。
<15人制へ切り替える。U23代表、李智寿を擁する朝鮮大は準決勝敗退>
昨年度2部7位、入替戦勝利で残留を決めた朝鮮大。高校3年時に全国大会4強を達成した昨年の4年生8名が卒業した。新たなスタートだ。
1回戦で1部の日本大から4トライ奪い28-5で快勝。勝ち組のチャンピオンシップへ回った。U23代表オーストラリア遠征から帰国したばかりのCTB李智寿(り・ちす。3年)も司令塔役で出場、自ら仕掛けるよりも仲間を生かす仕事を見せていた。
最初の國學院大戦は、前半に3トライされて5-19で折り返す苦しい展開。後半、奮闘したのは主将、文銘一(むん・みょんいる。4年)だ。國學院が5点をマークし5-26となった3分、文がディフェンスを破りトライゾーンへ運んだ(10-26)。
さらに朝大がゴール前ブレイクダウンから中央へ仕留め17-26に。6分、文はまたも自ら仕掛けて7点を加え、24-26と迫った。7分、スクラムを得るとボールは文へ渡る。ハットトリックを達成し31-26と大逆転で終えた。

準決勝は東海大。東海大が26-0とした前半終了間際、文がトライライン手前まで迫ると、ディフェンスに止められるもフォローした仲間が5点につなげた。後半は朝大が2トライを奪ったが、東海が33-17で快勝。決勝は東海とホームの法政の対戦となり、東海が28-26で頂点に立った。
文は悔しさを隠さない。「今日は優勝しか考えていませんでした。でも自分たちは強豪ではない。地道にひとつずつ努力していきます」。
李はオーストラリア遠征では主力組に入れなかった。試合出場は最後のクラブチームとの試合1試合のみ。5月20日、ニュージーランド学生代表との試合を控えるU23代表(試合はJAPAN XVで実施)。16日からの代表合宿に参加する。「15人制へ切り替えます。合宿に合流して数日で試合がある。メンバー入りをつかみます」。

リーグ戦3、4部が戦ったBブロックは今季、3部に転落した国士館大が47-0で順天堂大を下し優勝。5部以下のCブロックは、地区対抗から移籍した東京学芸大が実力を発揮し、43-0と文教大を一蹴して王者になった。

学芸大は朝鮮大と4月19日に合同練習を行っていた。セブンズ7分ハーフの戦いはお互いにトライ1本ずつで、実力差はない。秋の公式戦、5部の主役になりたい。