W杯開催地争い。世界ランキングトップの2か国は立候補に難色。

2035年と2039年のワールドカップ開催地争いに大きな関心が寄せられている。
すでに日本をはじめ、初開催を目指すスペインやイタリアも立候補を表明しており、3月末には中東3国(カタール、アラブ首長国連邦、サウジアラビア)が共催で立候補する予定であることが報じられた。
その後、ワールドラグビーのアラン・ギルピンCEOは「2027年をオーストラリア、2031年をアメリカで開催するという大きな決定を下した。そのため、いまはバランスについて検討している。これは地域ごとのローテーションのようなものと言える」と発言し、2035年(男子)と2037年(女子)をヨーロッパで開催する可能性が高いことを示唆した。
一方で、南アフリカは2035年、2039年への立候補を事実上断念したことを、海外メディアが報じている。
唯一1995年に開催した南アフリカは、2011年、2015年、2019年、そして2023年にも立候補したが、いずれも落選に終わった。
南アフリカラグビー協会のマーク・アレクサンダー会長は、財政的に厳しい状況であることを伝えた。
「この国で開催するためには多くの課題が伴う。多くのものを整備しなければならず、無責任は行動を起こすことはできない。われわれの第三世界の国であり、経済は強くないのだ。スポーツが社会の結束に大きく貢献することは理解しているが、政府が保障を出すのは不公平だと思っている」(ガーディアン紙)
また、ニュージーランドも24チームに拡大される2027年大会以降は、スタジアムの整備や開催国に求められる政府の財政支援の観点から2011年以来となる再招致は難しいとされている。
ニュージーランド協会のマーク・ロビンソンCEOは2022年に「W杯の開催は非常に困難」と発言し、その後も慎重な姿勢を示している。
世界ランキングのトップ2が、開催国に立候補できない事態なのだ。
優勝4回の南アフリカと3回ニュージーランドは、直近5大会のW杯優勝を分け合い、前回大会(フランス大会)の決勝でも対戦している。
なお、2027年のオーストラリア大会前には、2035年の開催国を決定する予定という。