各国代表 2025.03.25

2026年の「ANZACデー・ブレディスローカップ」計画は頓挫。豪で報道。

[ 編集部 ]
2026年の「ANZACデー・ブレディスローカップ」計画は頓挫。豪で報道。
ワラビーズを前にハカを披露するオールブラックス(Photo/Getty Images)

 オーストラリアラグビー協会(RA)が、2026年4月25日の「ANZACデー」に対抗戦「ブレディスローカップ」を開催する計画をニュージーランドラグビー協会(NZR)に提案していたが、NZRが却下の方針を示したことで実現の可能性は低くなった。3月24日に豪紙シドニー・モーニング・ヘラルドが報じた。

 ANZACデーは第一次世界大戦の戦死者への追悼と従軍者への敬意を示す記念日で、オーストラリア、ニュージーランドでは祝日として定められている。この4月25日にオーストラリア代表“ワラビーズ”とニュージーランド代表“オールブラックス”が対戦する計画は、10年前にも構想として立ち上がっていたが実現はしなかった。

 その後、両協会の財政が悪化する中で再びマッチメイクのアイデアが浮上。2024年にRAは西オーストラリア州による資金援助とパースでの試合開催を組み込んだ計画を再提案し、昨年9月の段階ではNZRのマーク・ロビンソンCEOも前向きな反応を示していた。

 ところがNZRがメリットとデメリットを検討した結果、ANZACデーのブレディスローカップ開催を支援しない方針を決めたことが今年3月に明かされた。ロビンソンCEOはシドニー・モーニング・ヘラルドに対し「NZRはオープンマインドに構想を探ってきましたが、やるべきことがあまりにも多すぎました」と語っている。

 オーストラリア、NZでは2月から6月末にかけてスーパーラグビー・パシフィック(SRP)が開催されているため、SRPクラブや選手会、関連団体との調整が必要になる。オールブラックスのスコット・ロバートソンHCも4月のテストマッチ開催に反対の意向だと伝えられている。

 また収益予測の面では、パースで試合を開催するとチケット販売や放映権およびスポンサー収入で両協会に数百万ドルの売上が見込めることになるが、ホームアンドアウェー方式を取ってNZでも開催することになると同等の利益は見込めないという。

 2026年のANZACデー・ブレディスローカップの開催は厳しい見込みだが、RAは試合開催による利点を財政再建の観点からNZRに訴え続けるという。

 フィル・ウォーCEOは「ワラビーズとオールブラックスは豊かな歴史を共有しており、ANZACデーのブレディスローカップはその歴史に新たなエピソードを加えることになるでしょう。私たちが進めてきたステークホルダーとの協議や商業的デューデリジェンス(適正評価手続き)では全て『これは素晴らしい取り組みで追求する価値のあるもの』という結論に達しました。RAは課題解決に向けた努力を続けます」とコメントしている。

PICK UP