【全国高校大会予選/東京都準決勝リポート】決勝は目黒学院vs成城学園、國學院久我山vs早稲田実に
第104回全国高校大会の東京都予選の準決勝が11月3日におこなわれ、10日決勝の対戦カードが決まった。
東京都第一地区は目黒学院と成城学園、第二地区は國學院久我山と早稲田実業が花園出場をかけて対戦する。
【全国高校大会東京都予選/第1地区準決勝1】
目黒学院高 57―17 東京高
先制したのは東京。開始2分にハイパントキックをキャッチしたNO8齊藤源輝がそのままインゴールになだれ込みトライをあげた。
だが目黒学院は落ち着いてすぐに取り返す。3分後にハーフェイライン付近のラインアウトを起点につくったポイントからFL阿部史門が抜け出してトライ。7−7とイーブンにすると、NO8ブルースネオル・ロケティの力強いボールキャリーが光り、順調にトライを重ねていった。
後半も目黒学院の勢いは止まらず、接点からFWが縦を突きインゴールに持ち込む形で5トライをあげ、57―17で勝利した。
「ハイパント対策やゴール前まできたらFWで取り切るところなど、準備してきたことを出すことができました」と目黒学院の竹内圭介監督。
応援の声が飛び交い、熱気あふれる会場の雰囲気に「最初はみんな笑顔でウキウキしていたのですが、だんだん緊張してしまった」と目黒学院のキャプテン石掛諒眞。ハーフタイムに話し合い自分たちのペースを取り戻した。決勝では最初から仕掛けていく決意だ。「一つひとつのプレーでしっかりチャレンジしてミスを恐れずやってきたいです」。
【全国高校大会東京都予選/第1地区準決勝2】
成城学園高 52―5 東京朝鮮高
成城学園が前後半合わせて8トライをあげて快勝した。セットプレーからボールを獲得すると、FWが体を張って近場でポイントをつくり、BKへと展開。東京朝鮮が得意とする詰めるディフェンスを寄せつけなかった。
ケガから復帰した成城学園のキャプテン、NO8の染谷昌宏は、前半8分にパスで展開したBKにサポートにはいるとインゴールまで走り込み先制トライ。その後もラインブレイクで攻撃チャンスを幾度もつくり、チームに勢いをもたらした。
東京朝鮮は敵陣にはいってボールを手にしたところで自らのペナルティでチャンスを逃す場面が多くなってしまったが、後半開始直後にはグラウンドを広く使ったパス展開で相手ディフェンスを乱し、1トライを返した。
成城学園の染谷は「ディフェンスのシステムは見直すことで修正できます。あとは個々のタックルで負けないように。決勝ではこれまでで一番、魂を込めてタックルをしたいです」と気をひきしめていた。
【全国高校大会東京都予選/第2地区準決勝1】
國學院久我山高 64―0 本郷高
國學院久我山が前半3分に先制トライをあげた後も敵陣でプレーする時間帯が続くが、本郷の粘り強いディフェンスに阻まれ、得点をあげることができない。
突破口となったのはスクラムだ。17分、敵陣での相手スクラムでプレッシャーをかけてターンオーバー。BKへ展開してCTB村上太一がトライを決めた。ここから2トライを重ねて24―0で折り返す。
後半も國學院久我山はFWが安定した力を発揮、強固なスクラムだけでなく接点でも競り勝ち、トライへ繋げた。本郷はあきらめずに走り続けたが、FWからの圧力を受けて徐々に疲れが出て、付け入る隙を与えてしまった。
國學院久我山は64―0と圧勝したものの、土屋謙太郎監督は「敵陣にいる時間が長かったのに得点が伸びませんでした。もう少しゴール前での精度を上げていかなくては」と課題をあげた。
「フロントローの3人がスクラムにすごく自信をもっていて、ここは全国レベルだと思っています」とバイスキャプテンのLO森祥太郎は胸を張る。「今までやってきたことをすべて出して、悔いなくしっかり勝ち切りたいです」と決勝の戦いを見据えていた。
【全国高校大会東京都予選/第2地区準決勝2】
早稲田実業高 35―5 明学東村山高
ともに秋に向けて1日ずつ成長を続けたチーム同士の対戦。春季大会と同様に早稲田実が食い下がる明学東村山を退けて勝利を得た。
前半10分間は攻める早稲田実に対し、明学東村山がディフェンスでボールを奪って攻め返す展開が続く。11分に早稲田実がPKを得てゴール際のラインアウトからモールを押し込みトライを決めた。続く25分もラインアウトを起点にモールを押し込んでトライ。
明学東村山のSO中村海惺がスペースを突くパスと好走に、早稲田実は守勢に回ることが多く、FWで得たふたつのトライで14―0で前半を終えた。
後半は早稲田実のFWがファイトして接点でボールを確実に獲得。ボールを得たBKはパスで前進し、やや疲れが見え始めた相手のディフェンスを突いた。結局、CTB園部心大が3トライを重ねて、35―5で試合を決めた。
「ノーペナルティ、タックルで相手を倒し切るなど、自分たちが練習でやってきたことを100%出し切れていないので、まだ伸びしろがあると思う」と早稲田実の山口滉太郎キャプテンは前向きだ。大谷寛監督は「最後まで1日ごとに成長を目指しているのが今年のチーム。決勝までの1週間まで少しでもうまくなるように練習に取り組んでいきます」と話した。