国内 2024.01.13

帝京大が全国大学ラグビー選手権3連覇! 明治大は創部100周年に王座奪還ならず。

[ 編集部 ]
帝京大が全国大学ラグビー選手権3連覇! 明治大は創部100周年に王座奪還ならず。
大学ラグビーで3季連続12回目の日本一となり、歓喜の帝京大学(撮影:松本かおり)


 第60回全国大学ラグビー選手権大会の決勝が1月13日に国立競技場で開催され、帝京大学が34-15で明治大学を下し、3季連続12回目の優勝を遂げた。
 明治大は創部100周年の記念のシーズンに日本一を目指したが、一歩届かず。

 帝京は立ち上がりよく、前半3分、相手のゴールラインドロップアウトから攻め、主将のHO江良颯がタテを突いたあと、すばやくパスを回してWTB高本とむが左外を駆け上がり、鋭く内に切り込んで抜け、先制トライを決めた。FB山口泰輝のコンバージョンも成功、先に7点を入れた。

 試合はその後、落雷の可能性があったため約1時間中断。

 再開後も先に得点したのは帝京で、LOの本橋拓馬や尹礼温、FL奥井章仁などフィジカル強いFWがプレッシャーをかけてターンオーバーし、26分にも敵陣深くに入ると、ラインアウトからのドライビングモールでゴールに迫り、江良が持ち出して突っ込み、追加点となった。

序盤から快走で帝京大に勢いをつけた高本とむ(撮影:松本かおり)

 14点を追う明治は35分、ハイパント後のボールキープからWTB安田昂平の好走などもあって敵陣深くに入り、テンポのいい連続から左外でボールをもらったCTB秋濱悠太がディフェンダーをかわし、5点を奪い返した。
 さらに、39分には帝京にキック処理ミスがあって敵陣深くでスクラムから攻めるチャンスをつかみ、そのセットから、SO伊藤耕太郎が絶妙のタイミングでブラインドサイドに移動してチャンスメイクし、パスをもらったWTB海老澤琥珀がタックルをかわしてトライ。明治のファンが沸いた。主将のCTB廣瀬雄也がコンバージョンを決め、2点差に詰めて折り返した。

 しかし、帝京は14-12で迎えた後半、FB山口のペナルティゴール(PG)2本で点差を拡大。

 雪のなかの熱闘となり、58分(後半18分)には明治がフェイズを重ねてゴールに迫ったが、帝京は粘り強いディフェンスで踏ん張った。

モールの攻防。帝京大の強力FWは接点やセットピースなどでプレッシャーをかけた(撮影:松本かおり)

 そして60分、明治のパスが乱れ、いちはやく反応した帝京のWTB小村真也が足にかけてチャンスとなり、明治も懸命に戻ったが、転々とする楕円球を確保したのは赤いジャージー。ボールをつないでCTB戒田慶都がタックルをかわし、トライ。コンバージョンも決まり、27-12となった。

 その後、明治はPGで一時12点差に詰めたが、優勢の帝京がリードをキープし、終盤にはFWがスクラムで奮闘してペナルティを獲得すると、またも敵陣深くに入ってラインアウトからモールで前進し、主将のHO江良が持ち出してインゴールに突っ込み、決定的なトライとなった。

 帝京大を最前線から引っ張り、日本一を成し遂げた主将の江良は、「学長をはじめ、大学関係者のみなさま、スポーツ医学センターのみなさま、本当にここでは言い切れないほどのサポートがあり、いろいろな方々に支えていただきました。この場を借りて感謝を申し上げます」とコメント。そして、これまで苦楽を共にしてきたチームメイトについては、「140人という大人数のなかで、このグラウンドに立てない悔しさであったり、いろいろな思いがたくさんあって、ここにたどり着くまで全員がいい思いをしてきたわけではないです。そのなかでも、このチームが日本一になるためにハードワークし続け、いろいろなものを犠牲にしてくれました。本当に、このような仲間がいたからこそ、ここまでたどり着いたと思いますし、このような仲間と1年間、共にプロセスを歩んできたものはこのタイトルよりも大きく、価値のあるものです。本当に、仲間には心から感謝してますし、本当に誇りに思います」と喜びをかみしめていた。

 そして、相馬朋和監督は江良をねぎらい、目に涙を浮かべながら「本当によく頑張りましたよね」と語った。約1時間中断するという難しい試合となったが、「明治大学さんがすばらしいパフォーマンスをされましたし、雷の中断明けからゲームが振り出しに戻りましたが、いままでやってきたことを信じて、仲間のために体を張り続けよう」と話したという。そして見事、3連覇達成。「このチームだけじゃなくて、いままで帝京大学にかかわるすべての人たちが作ってきたものを、さらに発展させられるように、これからも毎日毎日、頑張ってまいりたいと思います」と、指揮官はこれから先を見据えた。

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