初出場の関大北陽は伝統校の天理に屈する 流経大柏もBシードの尾道を撃破
大阪府第1地区予選を勝ち抜き、全国高校ラグビー大会初出場ながらBシードにランクされた関西大学北陽高校だったが、勝利を手にすることはできなかった。過去6回の優勝を誇る伝統校の天理高校(奈良)と2回戦でぶつかり、15-27で惜敗した。
関大北陽は前半14分、スクラムからのムーブでCTB白石空がおとりとなり、CTB福永航世―SO羽根田陸―WTB川部颯人のすばやい連係でディフェンスを崩し、FB丸尾拓真も走り込んでボールをつなぎ、WTB鷹尾享がフィニッシュして最初のトライを記録した。
対する天理は23分、敵陣深くに入り、ラインアウトからモールをずらして一気に押し込み、トライ。ハーフタイム前にも攻め込んで相手の反則を引き出し、FB山崎祥永のペナルティゴールで勝ち越した。
後半先にチャンスを作ったのは天理で、3分、敵陣深くに入ってラインアウトからモールで前進後、ボールを持ち出したFL内田旬がタックルを振りきって豪快にトライを決めた。FB山崎がコンバージョンで貴重な2点を追加、10点リードを奪った。
早めに点差を詰めたい関大北陽は8分、グラウンド中央のスクラムから根気よくフェイズを重ね、LO安田快史の力強いボールキャリーで敵陣深くに入ると、すばやくリサイクルして主将のNO8永井玲雅がプレッシャーを受けながらも右へつなぎ、WTB鷹尾がフィニッシャーとなった。
しかし、5点差に詰められた天理は粘り強いディフェンスで流れを引き戻すと、14分にも敵陣深くに入り、モールで前進後、ボールをもらったFL内田旬が力強い突進でゴールラインを割り、点差は広がった。
天理は25分にもディフェンスでプレッシャーをかけ続けて相手にボールを蹴らせ、カウンターで、SO安川和志が空いたスペースにキックを放ち、それをチェイスしたWTB小松駿太郎がボールを手にしてインゴールに持ち込み、大きな追加点となった。
関大北陽は試合終了間際、ゴールに迫って主将のNO8永井がトライを奪い返したが、リスタートの時間は残っていなかった。
天理と同じく1回戦から勝ち上がった流通経済大学付属柏高校(千葉)もBシード校を倒した。2回戦で尾道高校(広島)と対戦し、32-21で制した。
前半をリードしたのは尾道だった。流経大柏にペナルティゴール(PG)で先制されたが、12分、尾道はSH竹本悠希のブレイクで敵陣22メートルライン内に入り、フェイズを重ね、竹本がディフェンス裏のスペースにキックすると、バウンドボールを青いジャージーの15番が確保し、水谷康生のトライとなった。
尾道は18分にもゴールに迫り、HO杉本天がピック&ゴーでインゴールにねじ込んだ。
その後、流経大柏に1トライを許したが、尾道は28分、敵陣深くに入ってFWの連続攻撃でアドバンテージを得、身長180センチのLO辻井春希が体を伸ばしてトライを決めた。
しかし、10-21で折り返した流経大柏は後半早々、PGで点差を詰め、6分にはハーフウェイ付近のすばやいパス回しから主将のCTB阿部煌生が抜けて、左外でサポートについていたNO8佐藤椋介がパワフルにタックルを4つ外し、トライ。SH三田村喜斗のコンバージョンも決まり、1点差とした。
押せ押せムードの流経大柏は9分、ハイボールで相手にプレッシャーをかけ、ロストボールを手にして大きく展開し、FB丸岡大地斗がブレイク、パスをもらったWTB西機大河が左外を振りきってインゴールに持ち込み、逆転した。
流経大柏はその後、ピンチをしのぐと、16分にも敵陣深くに入りラインアウトからモールで押し込み貴重な追加点を獲得。
流経大柏は後半、相手にスコアを許さず、タフな戦いを制して花園で元日を迎えることとなった。