国内 2023.12.10

東京サンゴリアスが初戦で昨季王者のクボタスピアーズに快勝 新加入のコルビはPOMの活躍

[ 編集部 ]
東京サンゴリアスが初戦で昨季王者のクボタスピアーズに快勝 新加入のコルビはPOMの活躍
トライを決め喜ぶ東京サンゴリアス。ヘッドキャップ着用の中央の選手はコルビ(撮影:松本かおり)


 ジャパンラグビー リーグワン2023-24で最も注目されているニューフェイスのひとり、ワールドカップ連覇を遂げて東京サントリーサンゴリアスに新加入した南アフリカ代表のチェスリン・コルビが、デビュー戦でいきなり1万8110人の観客を魅了した。12月10日に東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれた初戦で昨シーズンの王者であるクボタスピアーズ船橋・東京ベイに挑み、コルビらの活躍もあって東京サンゴリアスが52ー26で快勝した。

 チャレンジャーの東京サンゴリアスは序盤の先取点でペースをつかんだ。立ち上がりから王者にプレッシャーをかけて敵陣深くに入ると、スクラムからの攻撃でFWが近場を突いてフェイズを重ね、最後はキャプテンのHO堀越康介がインゴールにねじ込みトライが認められた。

 11分には相手がタッチライン外に蹴り出そうとしたボールをCTB森谷圭介が好判断で内に残し、敵陣深くに入って連続攻撃、ここでもFWを使ったあとBKでテンポよく動かし、WTB尾崎晟也が右外にフィニッシュした。

 そして、サンゴリアスの15番をつけて序盤から俊敏な動きでチームに勢いをつけていたコルビは、19分、ドロップゴールを狙い同じ南アフリカ出身の相手CTBリカス・プレトリアスに阻まれたものの、再びボールを手にして鋭いステップワークでアタックを立て直し、仲間が細かくクイックでつないで尾崎晟也が連続トライを決めた。

 コルビはこの試合、空中戦へ勇敢に挑むハイボールキャッチや、ワールドカップでも見せたような相手ゴールキッカーに対する懸命なプレッシャー掛け(チャージ)など、全力でプレーし続け、会場を沸かせた。

 対するクボタスピアーズは23分、スクラムからの展開でBKがゲインして敵陣深くに入り、JD・シカリング、デーヴィッド・ブルブリングと、ロック2人の力強いボールキャリーがあってトライを奪い返した。

 しかし、リスタート後、スピアーズにハンドリングエラーがあり、スクラムを得たサンゴリアスはこのチャンスを確実にものにする。BKのムーブで相手を惑わし、ファーストレシーバーのCTB森谷から近場でパスをもらったCTB尾崎泰雅が抜け、トライ。

 流れを引き戻したサンゴリアスは、37分にはスクラムで圧力をかけて相手の反則を引き出し敵陣深くに入ると、ラインアウト・モールからボールを動かし、右に広いスペースを見つけたWTB松島幸太朗がクロスキックを放ち、昨シーズンのトライ王でもあるWTB尾崎晟也がキャッチして早くもハットトリックを達成した。その前にトライを決めていた弟の泰雅は後半にもファイブポインターとなっており、尾崎兄弟で計5トライの活躍だった。

 背番号10をつけた22歳のルーキー、高本幹也の正確なゴールキックでも得点を重ね、35ー7で折り返したサンゴリアスは、後半も3トライを追加。
 46分(後半6分)にはまたもコルビが魅せ、勇敢なハイボールキャッチからチームの連続攻撃につなげると、敵陣深くに入ってブレイクダウンの近くにいたコルビは今度、SH流大からボールをもらって鮮やかなダミーでディフェンダーをかわし、CTB森谷のトライをアシストした。
 最後まで全力プレーで勝利に貢献したコルビは、プレーヤー・オブ・ザ・マッチ。

 スピアーズは反撃して後半3トライを奪い返したが、サンゴリアスは松島のトライセービングタックルや、ゴールラインを背にしての粘り強いディフェンスもあり、昨季プレーオフ準決勝のリベンジを果たす結果となった。

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