来季はリーダーとして。ハニテリ・ヴァイレア[大東大/CTB]
望んだ結果は得られなかったけれど、ラストゲームで今シーズンの成果を存分に出した。
11月25日、大東大は関東大学リーグ戦の最終節で、拓大に92-5のスコアで圧倒した。
試合終了時点では選手権出場の可能性も残っていたが、同日同会場(スピアーズえどりくフィールド)でおこなわれた第2試合で法大が立正大を破り、その夢は潰える。
それでも、3年生のインサイドCTB、ハニテリ・ヴァイレアは「1年間やってきたことが今日は発揮できた」と晴れやかだった。
「(試合前)4年生から、選手権に繋がるゲームにしようと。あとは運を拾うだけと、話がありました。ここで終わるのはもったいないけど、良いゲームができた」
この試合、16トライを奪ったアタック以上に目を引いたのがディフェンスだった。前後半で反則を2つずつに抑え、高い規律を保ちながら相手のアタックを早い段階で止め続けた。
今季の大東らしさを見せたのだ。
ヴァイレアはそこで、実に4度のジャッカルを決めた。
「タックラーが隣にいるのを確認したら、絶対にジャッカルすると決めていました」
「これまで(1試合に)2回できたらいい方だった。今日は運が良かったです」と表情を崩し、規律を守った味方に感謝した。
ヴァイレアは、アタックでも際立った。力強いボールキャリーだけでなく、相手を引きつけてのパスでも魅了した。
「この前の試合でボールを持ったら目の前に相手が4、5人いた。それでは(突破は)さすがに無理だなと。今日はキャリーをあまりしないで、味方を生かして、外を使おうと」
リーグワン、その先の日本代表でのプレーも夢見るヴァイレアは、目標に南アフリカ代表のCTB、ダミアン・デアレンデを挙げる。
「彼はキャリーもできるし、味方も上手く使える。自分もトンガ人だからキャリーが得意だけど、パスもしっかり練習してみんなを使えるようになりたい」
自らのステップアップのため、この日はキャリー偏重だった自分に変化を加えていた。その結果、外側のランナーがトライを量産する。神田永遠、原田光貴の両WTBは、揃ってハットトリックの活躍だ。
来季は最上級生となる。その自覚がある。
「まずは4年生としてリーダーの気持ちを持って、日本語もだいぶ喋れるようになったし、ちゃんとチームをまとめたい」
指導陣が変わり、私生活にもメスを入れた今季のチームは良いモデルケースになるという。
「今年は4年生がこのチームを変えようとシーズンの最初から動いてくれて、まとめてくれた。来年もそういうチームになりたい。ワンチームが一番良い」
11月末で終わらないチームを、来季こそは作る。