W杯3位決定戦を制したのはイングランド アルゼンチンに競り勝ち銅メダル獲得
ラグビーワールドカップ2023フランス大会で、銅メダルを獲得したのはイングランド代表だった。準決勝で敗れ20年ぶりの優勝には届かなかったが、パリ郊外のスタッド・ド・フランスで現地時間10月27日におこなわれた3位決定戦に臨み、アルゼンチン代表に26-23で競り勝った。
前半、NO8ベン・アールのトライとSOオーウェン・ファレル主将の安定したゴールキックで得点を重ね、16-10で折り返したイングランド。
一方、3度目の4強入りで2007年大会以来の3位を目指したアルゼンチンは、後半早々、SOサンティアゴ・カレーラスがタックルを2つ破って軽快なフットワークでゴールへ駆け抜け、コンバージョンも成功で逆転した。
しかし、リスタート後まもなく、イングランドのHOセオ・ダンが敵陣深くでキックチャージに成功してトライを決め、再びリードを奪った。
今大会プールステージで同組に入り、初戦でイングランドに敗れリベンジの思いもあったに違いないアルゼンチンは粘り、50分(後半10分)、WTBエミリアーノ・ボフェリが約45メートルのペナルティゴール(PG)を決めて3点差に詰めた。
その後、両チームともPGでスコアボードを動かし、26-23で迎えた終盤の75分、アルゼンチンは敵陣22メートルライン内に攻め込んで相手の反則を引き出し、ショットを選択して後半途中から出場していたベテランSOのニコラス・サンチェスが左サイドから同点を狙ったが、失敗。
結局、イングランドが3点リードを守りきり、両チームの戦いは終わった。
敗れたアルゼンチン代表のHOフリアン・モントージャ主将は、「母国の新しい世代の心を動かし、勝利を手に入れたかったが、いくつかミスを犯してしまった。我々はもっと物事をコントロールする必要がある。だが、みな懸命に戦ったので、私はチームを誇りに思う」とコメント。
マイケル・チェイカ ヘッドコーチはこれがアルゼンチン代表での最後の指揮になるかと問われ、「まったくわからない。考えたこともない。今年後半にアルゼンチンに行く予定で、これまでの経緯と今後について話し合う予定だ」と答えた。
一方、3位で締めくくったイングランド代表のスティーブ・ボーズウィック ヘッドコーチは、「両チームがこの大会を通して進歩してきたことがわかる。信じられないほどのハイクオリティなゲームではなかったかもしれないが、必死に勝利への道を見つけようとした2チームによる接戦だった」と戦いを振り返った。
そして、ファレル主将は、「我々は、試合のあらゆる瞬間でこのチームの戦う姿を見せたいと思っていた。それを証明できたと思う。先週(準決勝)は完全にやり遂げることができなかったが、このトーナメントを正しく終えたかった。これは私たちの旅の大きな区切りであり、良い形で終えたかった。大会を通して自分たちはどんどん良くなり、成長したと感じている。このチームにはこれからたくさんのことが待っている」と語り、未来を見据える。