ワールドカップ 2023.10.16

フランス代表の悲しい終戦。「後悔はない」「胸が張り裂けそう」。指揮官、選手らがコメント。

[ 編集部 ]
フランス代表の悲しい終戦。「後悔はない」「胸が張り裂けそう」。指揮官、選手らがコメント。
自国開催W杯は準々決勝で敗れ、落胆するフランス代表の選手たち。中央はデュポン主将(Photo: Getty Images)


 ラグビーワールドカップ2023の開催国であるフランス代表が、ファイナルの2週間前に大会から姿を消すことになった。現地時間10月15日、パリ郊外でおこなわれた準々決勝で南アフリカ代表との死闘に28-29で屈し、敗退が決まった。

「ファン、家族、そして毎日私たちを信じてくれている人々、スタッフ、選手たち……私がいま第一に思うのは彼らのことだ」

 敗戦後、ファビアン・ガルチエ ヘッドコーチはそう語った。

「重要な瞬間がたくさんあった。7-0とリードしていて、(南アフリカの)エツベスがボールをカットしたときもそうだろう。我々は調子よく攻め続けていたが、フィニッシュ(得点)することができなかった。あそこで12点か14点リードできたかもしれない。そのあとすぐ同点となった。重要な瞬間が積み重なって、非常に多くのことが起きた」

 目標には届かなかった。それでも、この4年間一緒に懸命に取り組んできた選手たちには祝福の言葉を贈りたいと述べ、「南アフリカの選手とスタッフにもおめでとうと言いたい」と敬意を表し、フェアプレーを称えた。
「後悔はない。自分たちの可能性を最大限に発揮するためにできることはすべてやった。やり遂げた。我々は最善を尽くした」
 ガルチエ ヘッドコーチは、自身は2028年6月までの契約があるそうで、辞任は否定した。

ダミアン・プノーをなぐさめるファビアン・ガルチエ ヘッドコーチ(Photo: Getty Images)

 顔面骨折の手術を経てこの試合で復帰していたキャプテンのSHアントワンヌ・デュポンは、レフリーについての感想を求められ、「外から見てどう思いましたか? 私たちは失望してイライラしているので話すのは難しいが、ホイッスルが鳴らされなかった明白なことがいくつかあったと思う」とコメント。それでも、南アフリカのパフォーマンスに対する評価が損なわれることはないとも語り、「彼らはすばらしい試合をした」と称えた。「我々は今回のことから学び、経験を積むつもりだ」

 7番をつけた30歳のシャルル・オリヴォンは、これまで支えてくれた人たちのことを思い、「胸が張り裂けそうだ」と語った。
 エースのロマン・ンタマックがワールドカップ開幕直前に大けがをし、替わりに10番を任されたマチュー・ジャリベールは、「何と言うべきか難しい。試合を見直せば、改善の余地はたくさんあったと思う。全力を尽くした2チームによっておこなわれた、すばらしいラグビーの試合だった」とコメントした。

 フランス代表はラグビーワールドカップで過去3度決勝に進んだが、優勝したことはない。2007年の自国開催大会は4位に終わっており、今度こそ、と悲願達成に燃えて選手層を厚くしながらチームを強化してきたが、3大会連続で準々決勝敗退となった。

 チームマネージャーのラファエル・イバネスは、「ファンの応援を受けてベストを尽くそうと頑張った選手たちのことを思うと悲しい。しかし我々は、起き上がって、立ち上がって、次の戦いに進まなければならない。今回のワールドカップではもう戦えないが、ほかにも試合はある。我々はこれからもチームを信じなければならない」と語った。

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