【日本代表帰国会見】退任のジェイミーHC「日本は第2の故郷」

　ワールドカップ2023フランス大会での戦いを終え、10月11日に帰国したラグビー日本代表が、同日に成田市内で記者会見をおこなった。
　出席したのは、土田雅人日本ラグビー協会会長、藤井雄一郎ナショナルチームディレクター、ジェイミー・ジョセフHC、姫野和樹主将、流大副将の5人。

　土田会長は冒頭、2大会連続の決勝トーナメント進出を果たせなかったことに触れ、「悔しいですが、日本ラグビーの現在地として真摯に受け止めている」と話した。
　その上で、「各選手たちのハードワークから、裏付けされた日本ラグビーの進化を随所に確認できた。心からその頑張りを称えたい」と選手たちの奮闘を労い、「世界の頂点に立つことが、夢ではなく目標であることをチームに見せ、強い意志のもと日本ラグビーを高みに連れて行ってくれた」とチームを7年間率いたジョセフHCにも感謝を示した。

　ジョセフHCは指揮官を務めた日々を振り返り、「選手たちを本当に誇りに思う」と繰り返し言った。

「選手たちがたくさんの犠牲を払い、家族やパートナーと長い時間離れてコミットしてくれた。こうした環境での代表活動は本当に難しいことです。彼らは日本代表を尊重して、すべてを出して貢献してくれた。頭があがりません」

「最終的な結果は本当に残念ですが、一番頑張ったのは選手たちです。すべてを出し切ってくべたことを誇りに思います」

　ジョセフHCは、「この（日本での）旅は、7年前からのスタートではありません」と言った。

　初来日は1987年、17歳だった。ニュージーランド高校代表として来日した。1995年からはサニックスでプレー。1999年には日本代表としてW杯に出場し、キャップを九つ重ねた（NZ代表キャップは20）。

　2日前のオンライン会見では、試合の日の夜に指揮官が涙を見せたことを藤井NTDが明かしていた。そのことを問われ、「焼酎をたくさん飲みすぎたかもしれません」と笑い、「すごく感情的になる瞬間だった」と振り返った。

「17歳の時に初めて日本に来てから思い出はずっと続いている。その中でたくさんの人たちと出会った。そのひとりに藤井さんもいます。そうした思い出を話したと記憶しています」

「（HCに就任して）最初に選手たちを見たのは、帝京と東海の（全国大学選手権の）ファイナルでした。堀越（康介）や（松田）力也もそこにいたと思います。
　これまで長い間、ずっと一緒にいたわけですが、自分がコーチングする上では選手たちにとってタフなことがたくさんあったと思う。良い時も悪い時もたくさんあったし、私はさまざまなことを要求するコーチです。
　そんな中で彼らのような若い選手たちが育ち、アイルランドに勝てたり、トップ8のチームと戦えるようになった。去年もオールブラックスに勝てたかもしれないとこまでいきました。それは素晴らしいことだと思っています」

　ジョセフHCは日本を「第2の故郷」と言う。今後はハイランダーズのヘッド・オブ・ラグビーの職に就くためNZに帰国するが、「たくさんの友人がいる。定期的に戻って来たい」と話した。