ワールドカップ 2023.08.26

W杯で番狂わせ狙うイタリア。世界最優秀新人賞カプオッツォやラマーロ主将など魅力的若手多数

[ 編集部 ]
W杯で番狂わせ狙うイタリア。世界最優秀新人賞カプオッツォやラマーロ主将など魅力的若手多数
鋭いステップでディフェンスを切り裂くアンジェ・カプオッツォ(Photo: Getty Images)


 4年前のラグビーワールドカップ、イタリア代表は愛知・豊田スタジアムで予定されていたプールステージ最後のニュージーランド代表戦を台風の影響で戦えず、やるせない思いを抱いたまま日本を去った。過去9回のワールドカップにはすべて出場しているが、ヨーロッパの強豪6カ国(シックスネーションズ)勢で唯一、トップ8に入ったことがない。
 2週間後に開幕する第10回目の大舞台は、王座奪還を狙うニュージーランド代表や悲願達成に燃える開催国フランス代表と一緒のタフなプールで戦う。

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 イタリア代表として100キャップ以上重ねた偉大なレジェンドたち、セルジョ・パリッセ、アレッサンドロ・ザンニ、レオナルド・ギラルディーニなどはもういない。
 ラグビーワールドカップ2023フランス大会に臨むスコッド(FW19・BK14)のうち、ワールドカップでプレーしたことがあるのは9人だけだ。平均年齢は26歳と若く、今週末の日本代表戦で15番をつけ75キャップ目を獲得するベテランのSO/FBトンマーゾ・アランのみが3度目のワールドカップとなる。
 ほかの経験者は、PRのシモーネ・フェラーリ、マルコ・リチョーニ、フェデリコ・ザーニ、HOルカ・ビジ、LOのデイヴィッド・シシ、フェデリコ・ルッツァ、FLセバスチャン・ネーグリ、そしてCTBルカ・モリーシ。

熱い気持ちとハードワークでチームを鼓舞するミケーレ・ラマーロ主将(Photo: Getty Images)

 それでも、キャプテンを務める25歳のFLミケーレ・ラマーロを筆頭に、活きのいい若手が多い。24歳のアンジェ・カプオッツォは昨年のワールドラグビー年間最優秀新人賞に輝いたアウトサイドバックで、10番候補のパオロ・ガルビーシは23歳の司令塔だ。昨年は、3月にウェールズ代表を倒してシックスネーションズでの連敗を36で止め、11月のオータムネーションズシリーズでは強豪のオーストラリア代表から歴史的初勝利を挙げ、自信をつけた。
 さらに、イングランド代表に招集されたことがある26歳のWTB/CTBパオロ・オドグー、元U20イングランド代表の25歳LOディーノ・ラムも三色旗(緑白赤)を胸につける“アズーリ”の新戦力となった。

 そのほか、オーストラリア代表として活躍したディグビー・イオアネの甥(おい)であるWTBモンティー・イオアネもパワフルなランナーで、カンノーネ兄弟(LOニッコロ、FL/NO8ロレンツォ)も中心的存在となる。
 SHは4人選出されたが、アレッサンドロ・フスコとマルタン・パジェレロはアウトサイドバックスをカバーできる。

母国イングランドで叶えられなかった夢をイタリア代表としてつかんだパオロ・オドグー(Photo: Getty Images)

 前回のワールドカップに出場したFL/NO8ジェイク・ポレドリやユーティリティBKエドアルド・パドヴァーニなどが負傷により今秋の大舞台に立てないのは痛いが、イタリア代表“アズーリ”は、旋風を起こす力は十分ある勇敢なチャレンジャーである。

 地元トレヴィーゾで現地時間8月26日におこなう日本代表戦では、ラマーロ主将やカプオッツォなど上記にあげた注目選手の多くが出場予定だ。シックスネーションズで鍛えたフィジカルバトルやセットピース、ディフェンスも80分間ハードにやり続けられるかが勝負のポイントとなる。

 指揮官は、今秋のワールドカップ後に三重ホンダヒートのヘッドコーチになることが決まっているキアラン・クローリー。「我々はワールドカップへ向けて十分な準備をしてきた。日本との試合はそれを締めくくるものとなり、ファンの前で勝って締めくくりたい」とコメントした。

日本戦で10番をつけるパオロ・ガルビーシ。弟のSHアレッサンドロと一緒にW杯へ挑む(Photo: Getty Images)

<ラグビーワールドカップ2023 イタリア代表>
【PR】
フェデリコ・ザーニ Federico ZANI(ベネトン/34歳/23 caps)
ダニーロ・フィチェッティ Danilo FISCHETTI(ゼブレ・パルマ/25歳/32 caps)
イヴァン・ネメール Ivan NEMER(ベネトン/25歳/12 caps)
ピエトロ・チェッカレッリ Pietro CECCARELLI(ペルピニャン〔FRA〕/31歳/ 28 caps)
シモーネ・フェラーリ Simone FERRARI(ベネトン/29歳/46 caps)
マルコ・リチョーニ Marco RICCIONI(サラセンズ〔ENG〕/25歳/22 caps)

【HO】
ルカ・ビジ Luca BIGI(ゼブレ・パルマ/32歳/47 caps)
エパラハム・ファイヴァ Epalahame FAIVA(ハリケーンズ〔NZ〕/29歳/7 caps)
ジャーコモ・ニコテーラ Giacomo NICOTERA(ベネトン/27歳/14 caps)

【LO】
デイヴィッド・シシ David SISI(ゼブレ・パルマ/30歳/28 caps)
フェデリコ・ルッツァ Federico RUZZA(ベネトン/29歳/44 caps)
ディーノ・ラム Dino LAMB(ハーレクインズ〔ENG〕/25歳/2 caps)
ニッコロ・カンノーネ Niccolo CANNONE(ベネトン/25歳/32 caps)

【FL/LO】
セバスチャン・ネーグリ Sebastian NEGRI(ベネトン/29歳/47 caps)

【FL/NO8】
トア・ハラフィヒ Toa HALAFIHI(ベネトン/29歳/11 caps)
ジョヴァンニ・ペッティネッリ Giovanni PETTINELLI(ベネトン/27歳/13 caps)
ミケーレ・ラマーロ Michele LAMARO(ベネトン/25歳/28 caps) ※主将
マヌエル・ズリアーニ Manuel ZULIANI(ベネトン/23歳/12 caps)
ロレンツォ・カンノーネ Lorenzo CANNONE(ベネトン/22歳/11 caps)

【SH】
マルタン・パジェレロ Martin PAGE-RELO(リヨン〔FRA〕/24歳/1 cap)
アレッサンドロ・フスコ Alessandro FUSCO(ゼブレ・パルマ/23歳/15 caps)
スティーブン・ヴァーニー Stephen VARNEY(グロスター〔ENG〕/22歳/20 caps)
アレッサンドロ・ガルビーシ Alessandro GARBISI(ベネトン/21歳/6 caps)

【SO/CTB】
パオロ・ガルビーシ Paolo GARBISI(モンペリエ〔FRA〕/23歳/26 caps)

【SO/FB】
トンマーゾ・アラン Tommaso ALLAN(ペルピニャン〔FRA〕/30歳/74 caps)
ジャーコモ・ダレ Giacomo DA RE(ベネトン/24歳/2 caps)

【CTB】
ルカ・モリーシ Luca MORISI(所属未定/32歳/46 caps)
フアン・イグナシオ・ブレックス Juan Ignacio BREX(ベネトン/31歳/25 caps)

【WTB/CTB】
パオロ・オドグー Paolo ODOGWU(ベネトン/26歳/2 caps)

【WTB/FB】
モンティー・イオアネ Monty IOANE(リヨン〔FRA〕/28歳/20 caps)
ピエル・ブルーノ Pierre BRUNO(ゼブレ・パルマ/27歳/13 caps)
アンジェ・カプオッツォ Ange CAPUOZZO(トゥールーズ〔FRA〕/24歳/11 caps)
ロレンツォ・パーニ Lorenzo PANI(ゼブレ・パルマ/21歳/3 caps)

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