日本代表 2023.07.22

札幌移住を計画する日本代表リーチ マイケル、サモア代表戦へは「絆」で挑む。

[ 向 風見也 ]
【キーワード】,
札幌移住を計画する日本代表リーチ マイケル、サモア代表戦へは「絆」で挑む。
札幌“凱旋試合”に燃えるリーチ マイケル(撮影:向 風見也)


 故郷へ凱旋したのとほぼ同じだ。15歳で来日した34歳のリーチ マイケルは、札幌山の手高を卒業して以来、初の北海道開催の公式戦に挑む。

 7月22日に札幌ドームで開かれるパシフィックネーションズシリーズ初戦に、ラグビー日本代表のNO8として先発する。

 会場での前日練習を終えた21日午前、記者団に応じた。息を切らせて話した。

「この試合、ずっと、楽しみにしていた。僕は高校では札幌で試合をしていましたが、大学でも、社会人でも試合ができなくて…。やっとここで試合ができることを楽しみにしています」

「南半球4カ国対抗戦 ザ・ラグビーチャンピオンシップ」
WOWOWで全試合独占放送・ライブ配信!

 当日は母校の全校生徒、北海道全土の高校ラグビーマンが応援に訪れそうだ。尊敬されるべき先輩のリーチは「いつものプレーを見せたい。タックル、ボールを持ったら前に出る…」と決意した。

 思い出の地に日本代表選手として再訪して、決意を新たにしたのだろう。東京に住んでいる家族が驚くかもしれぬ一言を発した。

「久しぶりに札幌に帰ってきて、いつかここに移住したいという気持ちが強くなって…。いつかはここに移住できるように、いろいろ準備したいです」

 ワールドカップ・フランス大会を今年9月に控える。6月中旬から浦安で始動したチームは、7月から全国各地で対外試合を重ねる。

 8日、15日には東京・秩父宮ラグビー場、熊本・えがお健康スタジアムで、オールブラックスXV(フィフティーン)に2連敗した。

 JAPAN XV名義で臨んだ初戦を6-38で、日本代表として挑んだ2試合目は27-41で落とした。ニュージーランド代表の予備軍に当たる才能集団から、貴重な学びを得た。

 ゲームの展開を鑑み、リーチは言う。

「課題はふたつあって。ひとつは個人のミス。もちろん、ミスは起こるものなのですが、それによってトランジション(攻守逆転)が起こる回数が多くなった」

 今年3度目の実戦は、正規のテストマッチ(代表戦)である。相手はサモア代表。次のワールドカップでも戦う相手だ。

 過去3度のワールドカップを経験するリーチは、「いまのサモア代表とワールドカップでのサモア代表は別なチームになる。今回は自分たちにフォーカス」。先のゲームの反省点を整理し、克服することで、「自信」をつかみたいという。

「ワールドカップ(の舞台)に立った時(まで)に、勝てるという自信をつけることが大事です。今回、オールブラックスXVと2試合をやって、この相手でしか出ない反省が出て、そこがすごくチームにとってはよかったです。今回またサモア代表と試合をして、2試合の反省をどれくらいクリアできるかを楽しみにしています」

 チームが定めた今回のテーマは、「絆」だと話す。

「何をやるにしても、皆でやる。それをキーワードにしています」

 向こうが誇る1対1のフィジカリティで互角以上に戦いながら、組織としてキック、パスを首尾よく使い分けたい。

PICK UP