国内 2023.03.31

「あの悔しさがあったから」。昨季花園を逃した桐蔭学園が春の王者に。東福岡破る【全国高校選抜大会決勝】

[ 編集部 ]
「あの悔しさがあったから」。昨季花園を逃した桐蔭学園が春の王者に。東福岡破る【全国高校選抜大会決勝】
今季、桐蔭学園を率いるNO8城央祐主将。激しく前に出続けた(撮影:長岡洋幸)

 第24回全国高校選抜大会の決勝が3月31日、熊谷ラグビー場でおこなわれた。
 桐蔭学園が東福岡を34-19で破り、4年ぶり4回目の優勝を飾った。

 桐蔭にとって今季は、並々ならぬ思いで臨む1年だ。昨季は県予選決勝で東海大相模に敗れ、花園出場を逃していた。
 その試合にもNO8で先発していた、キャプテンの城央祐は言う。
「(ここには)決勝に出ていた選手も多く、とても悔しい思いをしました。ここに来られたのは去年の経験があったから。大学1年生(1学年上の先輩)に感謝の気持ちでいっぱいです」

 今大会は優勝候補筆頭だった。初戦から昨季花園ベスト4の京都成章とぶつかり、61-7で完勝すると、準々決勝では優勝候補の大阪桐蔭を38-10、準決勝では國學院栃木を51-7で圧倒。決勝前には対する東福岡の藤田雄一郎監督が「(自分たちより)三枚も上手」と、その実力を認めていた。

 しかし、決勝戦の序盤を支配したのは昨季の花園優勝校、東福岡だった。
 先制トライは4分。10㍍ライン付近のラインアウトからCTB神拓海がオフロードでつなぎ、CTB村上有志が突破。WTB西浦岳優がラストパスを受け、インゴールに飛び込んだ。

 続く8分には、準決勝まで止まることを知らなかった桐蔭のアタックを仕留める。FL松崎天晴のタックルから反則を得た。相手陣22㍍ライン内に侵入し、連続攻撃でオフロードを繋ぐ。WTB西浦が2トライ目を挙げ、12-0とした。

 その後は2本のPGのチャンスを許した(1本は成功)が、ブレイクダウンで圧力をかけ続け桐蔭のミスを誘発。12-3とされた直後に敵陣深くに入った。しかし、ラックからこぼれたボールを拾われ、キックで自陣を抜け出したLO中森真翔にトライまで持っていかれる。

 勢いに乗れていただけに、痛い失トライだった。

 相手の小さなミスを逃さなかった桐蔭は、前半終了間際にもPGを加える。13-12と逆転して迎えた後半は、完全に息を吹き返した。
 3分、ブレイクダウンで圧力を受けていたが、FB吉田晃己が個人技で打開する。ハーフウェイ付近から裏へ浮かせるキックを放ち、自らキャッチ、そのまま走り切った。

 11分には相手ラインアウトをスチールし、LO中森、WTB田中健想、PR井吹勇吾が続けて前進。最後はピック&ゴーからPR前田麟太朗が沈めた。
 20分にもターンオーバーからスコアした。ハイパントを捕球した相手選手に圧をかけてラックを越える。最後はSO萩井耀司が大外へ振り、WTB田中がフィニッシュ。
 34-12として勝負をつけた。

 終盤は互いに落球が続いたが、東福岡は優勢だったスクラムを起点に、CTB神とFB隅田誠太郎で右サイドを崩して追加点を挙げる。センバツは2年連続の準優勝となったが、トライ数は「桐蔭4本-東福岡3本」なだけに、花園に向けて大きな手ごたえを掴んだだろう。

 桐蔭学園の藤原秀之監督は「去年花園に出られなかったので、全国で1試合でも多くやりたいという気持ちが大きかった。それができたことが収穫」と話した。
 現状を踏まえて、勝因を冷静に言う。
「12月3日から新チームがスタートして基本プレーを徹底してきました。(花園出場校は1月に新チームがスタートしたため)その1か月の差が出たのだと思います」

 城主将はこれからの決意を明かした。「負けたあの日から勝ちたい気持ちを露わにして、練習に取り組んできた。この気持ちを忘れずにこれからもやっていきたい」
 新チームの原点とも言える、花園予選決勝がターゲットであることを強調した。

▼第24回 全国高校選抜ラグビー大会 大会結果
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