国内 2023.01.07

東福岡が春の悔しさを糧に花園で歓喜! 3冠狙った報徳学園を倒し6季ぶりに王座奪還

[ 編集部 ]
東福岡が春の悔しさを糧に花園で歓喜! 3冠狙った報徳学園を倒し6季ぶりに王座奪還
優勝を決め喜ぶ東福岡高校の選手たち。写真中央はLO舛尾緑(撮影:早浪章弘)


 春の選抜大会で決勝に進みながら新型コロナウイルスの影響で戦えなかった東福岡高校(福岡)が、冬の大舞台で頂点に立った。東大阪市花園ラグビー場で熱戦が繰り広げられてきた第102回全国高校ラグビー大会は、1月7日にファイナルを迎え、東福岡は春の決勝でぶつかるはずだった報徳学園高校(兵庫)と対戦し、41-10で快勝、6季ぶり7回目の花園制覇となった。
 一方、選抜大会のタイトルを手にして夏の7人制大会も制していた報徳学園は、史上4校目の高校3冠とはならなかった。

 春の無念を晴らしたい東福岡は、キャプテンの大川虎拓郎がチームに勢いをつけた。開始早々、6番・大川のキックチャージからチャンスとなり、ボール展開でWTB上嶋友也がインゴールに持ち込み先制した。

 東福岡は接点やディフェンスでプレッシャーをかけ続け、11分に報徳学園の攻撃をブレイクダウンのターンオーバーでしのぐと、12分にはLO岡田薫瑠のラインアウトスチールからすばやくワイドにボールを動かし、FB石原幹士がハーフウェイから駆け上がって鋭いステップでディフェンダーをかわし、トライゲッターとなった。

 一方、押され気味だった報徳学園は23分、敵陣深くでNO8石橋チューカのキックチャージからチャンスとなり、つないでCTB炭竈柚斗がトライ。SO伊藤利江人は厳しい角度からコンバージョンを決め、7点を奪い返した。

 報徳学園はハーフタイム前にもSH村田大和のブレイクから15フェイズ重ねたが、ここは東福岡が踏ん張り、12-7で折り返しとなった。

先制トライを決めた東福岡のWTB上嶋友也。決勝ではハットトリック(撮影:早浪章弘)

 報徳学園は後半の立ち上がりもよく、ペナルティゴールで2点差に詰めたが、東福岡は10分、ラインアウトからの展開でボールを手にしたSO高本とわが前へ詰めてきたディフェンスの裏に深く蹴り、チェイスしたCTB西柊太郎が確保してトライを決めた。

 流れを変えた東福岡は18分にも攻め込み、CTB永井大成が力強いボールキャリーで前進、オフロードパスをもらったWTB上嶋がインゴールに持ち込み、リードを広げた。

 東福岡の勢いは止まらず、23分にはNO8藤井達哉がパワーでダブルタックルを破って豪快にトライ。

 そして、着実にコンバージョンを決め得点を重ねてきたSH高木城治が27分にペナルティゴールで加点すると、28分にはCTB西から正確な長いパスをもらったWTB上嶋が自陣から躍動してフィニッシャーとなった。

 優勝した東福岡高校の藤田雄一郎監督は、「この3年間、高校ラグビー界も大変な思いをしてラグビーを続けてきたんで、各大会開催していただいた関係者の方、サポートしていただいた方に感謝の言葉しかありません」と述べ、3年間地道に努力を続けた選手たちを称えた。

 誇り高きモスグリーンのジャージーを着た選手たちは、頑丈なフィジカルと運動量を武器に相手にプレッシャーをかけ続け、アタックだけでなく、鍛え上げたディフェンスでも威力を発揮。「“グリーンウォール”という緑の壁を報徳学園さんにやり続けようというのが合言葉だった。それができた60分間だったと思います」と藤田監督は熱闘のファイナルを振り返り、優勝をかみしめていた。

日本一となった東福岡高校。6季ぶり7回目の花園制覇(撮影:早浪章弘)

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