【コラム】2022年ラグビー名言10選
冬に楕円球が渋滞するようになり久しい。
大学ラグビーシーンが佳境に入るタイミングで、国内トップのリーグワン、全国高校ラグビー大会が開幕する。最近では長らく制限されていた練習取材も順次、解禁されているとあり、身体がひとつしかないことが本当にもどかしく感じさせられる。
今年最後となる本コラムでは、2022年1月1日以降に取材した印象深い談話を紹介。昨季のリーグワンや夏、秋の代表期間、ワールドカップを見据えていたサクラフィフティーンの国内戦、高校や大学の各種取材機会、リーグワン開幕節などが主な対象となる。
1,「僕がうまいからです」(大島泰真=京都成章高校<当時>/SO)
全国高校ラグビー大会の準々決勝。優勝候補の東福岡高校に25―31と敗れた。チームはフィジカリティで苦しみやや劣性も、少機を活かす流れで接戦に持ち込んだ。なかでも主将の大島は、防御に仕掛けながら相手の背中を通すようなパスを重ねた。向こうの勢いで突き放されなかったわけを聞かれ、笑いながら述べた。以後は同志社大学に入学。合宿の休息時間にも、小柄な身体を首尾よく動かす独自のトレーニングをすべく外へ出るなど熱心さを示した。捕る、投げる、蹴るといった技術、およびプレーの判断が抜群に「うまい」こともあり、1年目からレギュラーに定着した。
2,「僕はラグビーでお金をいただいて生活している。仕事です。そこに対して、モチベーションをどうこうというのは考えてないんですよ。だって、モチベーションがなかったらラグビーできないんですか? いえいえ、そんなことはないですよ。やるべきことやって正当な報酬をもらっているんだから、モチベーションは関係ないです」(稲垣啓太=埼玉パナソニックワイルドナイツ、男子15人制日本代表/PR)
昨季のリーグワン終盤、不動の代表戦士が連戦続きにおけるモチベーションの維持について聞かれた。「こう言うと聞こえはよくないと思うんですが」と前置きして返答。「ファンの方が会場に足を運んで下さり、お金を払ってチケットを買って下さる。それには責任が伴います」とも続けた。
3,「いまは50人くらいの候補メンバーがいるけど、本当にみんな代表の選手になって欲しいし、みんなワールドカップに出て欲しい」(長谷川慎=男子15人制日本代表/アシスタントコーチ)