日本代表 2022.11.21

日本、フランスに食らいつくも勝利ならず。タフな経験重ね坂手主将はW杯までさらに成長誓う。

[ 編集部 ]
日本、フランスに食らいつくも勝利ならず。タフな経験重ね坂手主将はW杯までさらに成長誓う。
フランス選手にタックルするHO坂手淳史(左)とPR具智元(撮影:松本かおり)


 ラグビーワールドカップ2023フランス大会の開幕まで10か月を切ったなか、日本代表は2022年のテストマッチを2勝5敗(JAPAN XVとしての強化試合も含めると3勝7敗)で終えた。インターナショナルシーズンを締めくくる欧州遠征「リポビタンDツアー」の最終戦として、来年のワールドカップ会場となるスタジアム・ド・トゥールーズで11月20日、現在世界ランキング2位のフランス代表に挑み、奮闘したが、17-35で敗れた。

 日本代表はフランス戦初勝利ならず。
 一方のフランス代表は昨秋から負けなしで、テストマッチ13連勝となった。

 この秋、ニュージーランド代表、イングランド代表、フランス代表といった世界トップクラスの強豪を倒すことはできなかったが、日本代表はタフな経験を重ね、キャプテンのHO坂手淳史は「すごくポジティブになった。自分たちがやってきたプレーを出せる部分もあったし、ペナルティやミスもあったが、世界のベストチームと戦うことで、試せたのは僕たちにとっていいチャンスだった。自分たちがやりたいことを達成できた部分は大きいと思う。チャレンジすることができたので、よかったと思う」と戦いを振り返った。

 前半は雨のなか、日本は開始早々に満員の会場を沸かせた。
 NO8姫野和樹がラックサイドを抜けてハーフウェイから大きくゲインし、敵陣深くに入り、相手に反則があったあと、ペナルティゴール(PG)を選択せず果敢にトライを狙いにいった。しかし、フランスの堅い守りに得点ならず。

 先制したのはフランスで、7分、22メートルラインに迫り、日本がディフェンスで前へ詰めてきたところ、SOロマン・ンタマックが裏のスペースへキックでボールを転がし、それを足にかけたWTBダミアン・プノーがインゴールに押さえた。フランスペースは続き、PGで加点。

 日本は21分にSO李承信がショットで3点を刻み、ディフェンスでも奮闘していたが、36分に突き放される。ラインアウトでプレッシャーをかけたものの、ボールを拾ったフランスのSHマキシム・リュキュが密集のわずかなスペースを抜けてチャンスとなり、パスをもらったゲームキャプテンのFLシャルル・オリヴォンがゴールへ走り切り、18点差で折り返しとなった。

ボールチェイスでプレッシャーをかけるSH齋藤直人(撮影:松本かおり)

 流れを変えたい日本は後半早々、先発起用に応えたCTB中野将伍が自陣から中央を抜けて大きくゲインし、ディフェンダーをひきつけ、サポートについてきたSH齋藤直人につないでトライを奪い返し、好スタートとなった。

 その後、FLピーター“ラピース”・ラブスカフニやHO坂手などがブレイクダウンで奮闘し、チームを鼓舞した。

 しかし、60分(後半20分)、フランスの蹴ったボールが日本にとっては不運なバウンドとなり、ボールを手にした青いジャージーのSOマチュー・ジャリベールがゲインして味方につなぎ、WTBプノーがフィニッシャーとなって点差を拡大。

 それでも日本は食らいつき、リスタート直後、フランスにミスがあって敵陣深くに入ると、ラインアウトからのサインプレーで、ボールキャリーのHO坂手から折り返しのパスをもらったWTBシオサイア・フィフィタが抜け、鮮やかなトライが決まった。

 その後、中野のトライセービングタックルもあったが、しかし、フランスの勢いは止まらず、73分にはSOジャリベールのチップキックからチャンスとなってチーム4トライ目を獲得。

 日本は終盤、75分から出場して初キャップとなった中尾隼太がキックチャージから相手にプレッシャーをかけたシーンもあったが、勝利をつかむことはできなかった。

 坂手キャプテンは試合後、「みんないろんな経験をしたし、このグラウンドでプレーできたというのもすごく大きい。ワールドカップでは、ここで2試合あるので、フランスを体験できたのは大きいと思う。もっと伸ばせる部分がある。ワールドカップまで伸ばしていって、ワールドカップでもいいゲームをして、勝ちたいと思う」とコメント。見据えるのは、来年の大舞台だ。

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