各国代表 2022.11.11

日本を警戒するイングランド。マーカス&ファレル、イトジェら並ぶ強力布陣。

[ 編集部 ]
日本を警戒するイングランド。マーカス&ファレル、イトジェら並ぶ強力布陣。
イングランドの攻撃のカギを握るマーカス・スミス(左)とオーウェン・ファレル(Photo: Getty Images)


 日本代表には過去一度も負けたことはないが、前回、4年前にトゥイッケナムで対戦したときは最終的に35-15で勝ったものの、後半18分の時点でリードしていたのは日本だった。そのときの試合にイングランド代表の13番をつけてフル出場していた現副将のジャック・ノールは、「日本にふさわしい敬意を払っていなかった」ことを認める。しかし日本は、2015年のワールドカップで南アフリカを倒したのは奇跡ではなかったことを証明し、2019年の自国開催ワールドカップではアイルランドやスコットランドなどを破って堂々のトップ8入りを果たし、約2週間前にはオールブラックス(ニュージーランド)を追い詰めて世界を驚かせた。ベテランPRのマコ・ヴニポラは今週、英国メディアの取材に対して「日本を軽視してはならない」と語っている。

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 イングランドは先週ホームで、13年ぶりにアルゼンチンに敗れており(トゥイッケナムでは16年ぶり)、ファンの目は厳しくなっている。日本もアルゼンチンと同じく、来年のワールドカップで対戦することが決まっているライバルであり、現地時間11月12日にトゥイッケナムでおこなわれるもうひとつの前哨戦に注目が集まる。

「先週のパフォーマンスを改善するために、今週は懸命に取り組んできた」
 そう語るイングランド代表のエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)は、かつて自分も指導したことがある日本代表との対戦へ向け、先発メンバーを5人変更した。世界的スターである主将のCTBオーウェン・ファレルや、6番でもワールドクラスのマロ・イトジェなどは先週に引き続いてスターティングメンバーに名を連ね、アルゼンチン戦で後半入ってすぐに鋭い走りでトライを決めた21歳の新星SHジャック・ヴァン・ポートヴリートや、初キャップとなる南アフリカ出身のLOデイヴィッド・リバンズなどが先発のチャンスを与えられた。そして、脱臼した肘が回復した快足WTBのジョニー・メイもスタメンとなり、自身にとって1年ぶりのテストマッチに燃える。

 イングランドは伝統的にパワーラグビーを得意とし、セットピースからゲインラインを打ち破るが、2019年のワールドカップでは自分たちよりもパワフルだった南アフリカに敗れ優勝を逃しており、ジョーンズHCはチームとしての進化を模索している。相手ディフェンスを混乱させるため、より緻密にボールの動きを増やすことを含め、別のプレー戦略を開発しようとしている。プレーメーカーのマーカス・スミスとオーウェン・ファレルをバックラインに同時に並べることについて、両方ではなくどちらかを選ぶべきだという批判の声もあるが、ジョーンズHCは、スミスとファレルのパートナーシップ(10番-12番)が、イングランドの攻撃にとって長期的に見て最良のものだと信じている。日本戦でも、このコンビネーションは注目となる。

 リザーブも充実しており、足の負傷から戻ってきたHOジェイミー・ジョージや、ヴニポラ兄弟(PRマコ、NO8ビリー)、SHベン・ヤングス、CTBマヌー・トゥイランギといったベテランがベンチで待機する。

 「日本は非常に優れた魅力的なチームだ」と言うジョーンズHC。「彼らは継続性とチームの結束に基づいたユニークなタイプのラグビーをしており、土曜日にトゥイッケナムで彼らと対戦するために最善を尽くす必要がある」とコメントした。

アルゼンチン戦で躍動し、日本戦の9番を任されたジャック・ヴァン・ポートヴリート(Photo: Getty Images)

<イングランド代表 試合登録メンバー>
1.エリス・ゲンジ Ellis Genge(副将/ブリストル・ベアーズ/40 caps)
2.ルーク・カウワンディッキー Luke Cowan-Dickie(エクセター・チーフス/38 caps)
3.カイル・シンクラー Kyle Sinckler(ブリストル・ベアーズ/53 caps)
4.デイヴィッド・リバンズ David Ribbans(ノーサンプトン・セインツ/―)
5.ジョニー・ヒル Jonny Hill(セール・シャークス/16 caps)
6.マロ・イトジェ Maro Itoje(サラセンズ/59 caps)
7.トム・カリー Tom Curry(セール・シャークス/42 caps)
8.サム・シモンズ Sam Simmonds(エクセター・チーフス/15 caps)
9.ジャック・ヴァン・ポートヴリート Jack van Poortvliet(レスター・タイガース/4 caps)
10.マーカス・スミス Marcus Smith(ハーレクインズ/14 caps)
11.ジョニー・メイ Jonny May(グロスター/69 caps)
12.オーウェン・ファレル Owen Farrell(主将/サラセンズ/98 caps)
13.ガイ・ポーター Guy Porter(レスター・タイガース/2 caps)
14.ジャック・ノール Jack Nowell(副将/エクセター・チーフス/43 caps)
15.フレディー・ステュワード Freddie Steward(レスター・タイガース/14 caps)

16.ジェイミー・ジョージ Jamie George(サラセンズ/69 caps)
17.マコ・ヴニポラ Mako Vunipola(サラセンズ/71 caps)
18.ジョー・ヘイズ Joe Heyes(レスター・タイガース/6 caps)
19.アレックス・コールズ Alex Coles(ノーサンプトン・セインツ/1 cap)
20.ビリー・ヴニポラ Billy Vunipola(サラセンズ/65 caps)
21.ベン・ヤングス Ben Youngs(レスター・タイガース/118 caps)
22.ヘンリー・スレード Henry Slade(エクセター・チーフス/49 caps)
23.マヌー・トゥイランギ Manu Tuilagi(セール・シャークス/47 caps)

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