各国代表 2022.07.24

国の女子ラグビー発展のためにも日本で前進を。南アフリカ代表主将は21歳で競技始める。

[ 編集部 ]
国の女子ラグビー発展のためにも日本で前進を。南アフリカ代表主将は21歳で競技始める。
ノロシンディソ・ボイ主将。メンタルが強い。(撮影/松本かおり)
PRババルワ・ラチャは28歳。西ケープ大学で法学を学んだ。(撮影/松本かおり)
フィジカルの強さを出して戦うチーム。コミュニケーションも取れていた。(撮影/松本かおり)



 ワールドランキングは日本の12位に対して13位。ワールドカップ(以下、W杯)への準備を進めている途中にあり、国の女子ラグビーの認知度を高める使命感も胸に戦う。
 女子南アフリカ代表は、サクラフィフティーン(同日本代表)と似た立場にある。

 その南アフリカ代表は7月24日、岩手・釜石で日本代表と戦う。
 試合前日の7月23日の午前、試合会場の釜石鵜住居復興スタジアムでトレーニングをおこなった。

 キックオフからの攻守の確認や個人練習など、約1時間汗を流した。
 チームは7月10日にプレトリアに集合してキャンプを張った後、7月19日に日本へ向けて出発。試合に備えた。

 日本との第1テストを戦う登録選手23人の中で最多キャップはLOのノロシンディソ・ボイ主将。37歳で27キャップを持つ。
 SHのルマンディ・ボトヒテールは先発の中で唯一のノンキャップも、昨年11月の英国遠征でU20イングランド代表、バーバリアンズと対戦した経験を持っている。

 ボイ主将はチーム状態を問われ、「W杯へ向けてハードワークをしています。(その準備段階、本番と)簡単な試合はひとつもありません。自分たちのやってきたことを磨き、確認しながら、チームの成熟具合を高めていきたい。日本も気合いが入っていると思うので、チャレンジを楽しみたい」と話した。

 21歳。ボイ主将がラグビーを始めた年齢だ。
 出身地の東ケープ州の田舎町ではラグビーはほとんどプレーされておらず、クリケットが盛んだったからだ。高校時代はネットボールや陸上競技に取り組んだ。

 友人がラグビーに引き入れてくれたのが21歳の時だった。
 家族、親戚にもラグビー選手がたくさんいる。自分自身が、このスポーツにのめり込むのに時間はかからなかった。

 15人制代表入りを果たす。ワールドカップにも出場した。
 度重なるケガにも屈しない気持ちの強さもボイ主将の持ち味だ。
「いま、南アフリカの女子ラグビーは整備が進んでいます。小学生もラグビーをプレーし、ユース各年代の活動も盛んです」
 自分たちの飛躍がそれぞれの年代に勇気を与える。

 第1テストで3番を背負うババルワ・ラチャは、主将がケガなどで離脱している時にチームを束ねる存在だ。
 釜石という場所でテストマッチがおこなわれることについて、「明日の試合はいろんな意味で大事な機会。財産、歴史のあるこのスタジアムで私たちの歴史も刻みたい」と話した。

 ラチャは、W杯までの日々について「やることすべてが準備になる」と話す。
 日本ツアーの目的も明確だ。
「異なるコンディション、異なるスタイルの相手とやるときに、何をすべきか。それに適応しながらも自分たちの力を出すことが大事」

 南アフリカは日本との2試合後、8月にスペイン(ワールドランキング10位)と2試合を戦ってW杯へ臨む。
 本大会ではイングランド(同1位)、フランス(3位)、フィジー(21位)と同じプール。日本との戦いを通して前へ進む。

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