3年ぶりの開催に観衆3400人超。「うれしかった」関東大学オールスターは対抗戦42-38リーグ戦と白熱
7月3日の秩父宮に、午前中から若い歓声がこだまする。第10回関東大学オールスターゲーム2022が、3年ぶりに開催され、いつもの大学ラグビーファンとは違った観客がスタンドを埋めた。観衆は3421。大学OBよりも、同じ部員やともに学ぶ大学生達の姿が多かった。とりとなったメインゲーム「リーグ戦選抜vs対抗戦選抜」は、対抗戦42-38リーグ戦に。通算勝敗は全8戦で対抗戦5勝、リーグ戦3勝となった。
2020第8回、2021第9回はウイルス蔓延のために2年連続で大会が中止された。3年ぶりの開催はつまり、現4年生が1年生の時に催されて以来ということになる。それでも、大会の雰囲気は変わらなかった。観戦の安全を考えて、仲間の活躍を後押しするための応援ボードが数多く掲げられた。対抗戦選抜主将の明大WTB石田吉平は「応援の文字が一番に目に入って来た。仲間の気持ちがうれしかった」と入場時の気持ちを振り返った。
ふだんは他チームで戦うライバル同士、高度な組織プレーは望めないが、選手達個々の思い切ったプレーが目を引いた。
たとえば、リーグ戦のパワフルタンク、日大HO井上風雅が、対抗戦の盟主・帝京大NO8奥井章仁が密集の中で真っ向やり合う。所属グループが違う上、通常はお互いにチームの突破役を担うために見られないマッチアップも楽しい。試合は対抗戦選抜が後半に突き放しまで競り合い、42-38でリーグ戦選抜を倒した。
午前中からは「東京学芸大vs茨城大」「医歯薬リーグ選抜vs理工系リーグ選抜」「リーグ戦2部選抜vs対抗戦B選抜」「女子対抗戦選抜vs女子リーグ戦選抜」の4試合がセブンズで行なわれ、それぞれに聖地・秩父宮ラグビー場の感触を噛み締めた。
東京学芸大の安達航洋(3年)は、高3時に桐蔭学園で全国優勝を遂げた主力LO(190センチ、100キロ)。かつて高校日本一チームのボール支配を支えた、相変わらずの空中戦の強さを見せてくれた。
「キックオフは変わらずキープができるようにがんばっていて、高校時代は課題だったディフェンスを、今は練習で意識しています」(安達)