日本代表 2022.05.12
【コラム】再浮上した国際大会新設構想。日本の未来やいかに

【コラム】再浮上した国際大会新設構想。日本の未来やいかに

[ 直江光信 ]

 ただ、それでもこの構想は日本にとって圧倒的にメリットが多いと感じる。国際ラグビー界において地理的な不利を抱える日本が、強豪国と定期的に戦えるのは願ってもない環境だ。むろん厳しいチャレンジになるが、そこを乗り越えてこそ堂々とティア1入りに名乗りを上げられる。そこでジャパンが好成績を残せば、国内のラグビー熱が高まり多くの注目を浴びる中でリーグワンの開幕を迎える――という理想的な流れも生まれる。

 欲をいえばその大会前の6月と10月に、オセアニアや南北アメリカ、ヨーロッパのティア2国、アジアの上位国とテストマッチを組めたら最高だ。そこで新たにスコッドに加わった選手をミックスした布陣をテストし、7月と11月の試合に向かうようにすれば、若手に経験を積ませると同時に本番への準備も進めることができる。毎年10試合以上を戦うティア1国とのテストマッチ数の差を埋めることにもつながる。

 相変わらずコロナの波に翻弄され続けた2022シーズンの上半期。リーグワンや全国高校選抜大会、サニックスワールドユースにおける試合中止や出場辞退など、辛く悲しい出来事も少なくなかった。せめてここからは、明るい未来を想像させてくれる話題が続くことを願おう。

【筆者プロフィール】直江光信( なおえ・みつのぶ )
1975年生まれ、熊本県出身。県立熊本高校を経て、早稲田大学商学部卒業。熊本高でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。早大時代はGWラグビークラブ所属。現役時代のポジションはCTB。著書に『早稲田ラグビー 進化への闘争』(講談社)。ラグビーを中心にフリーランスの記者として長く活動し、2024年2月からラグビーマガジンの編集長

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