盛況のフランスラグビー 4月上旬の国内リーグで観客数今季最高を記録
フランス国内リーグ「トップ14」の第22節(4月2~3日)の観客動員数の全試合合計が11万人を超え、今季最高を記録したと運営団体のLNRから発表された。1試合平均が約1万6000人ということになる。
この日は「ファン・デイズ」と題してすべての対戦がダービーになるように組まれていたことと、シックスネーションズで優勝したフランス代表選手がトップ14に帰ってきたことが要因と考えられる。2か月間、代表選手を供出し厳しい戦いを続けてきたクラブにとって、ラグビー面だけでなく財政的にも嬉しい。また代表選手がいないクラブのサポーターも敵チームの代表選手を見ようとスタジアムに来るので、トップ14全体がフランス代表の成功の恩恵を受けている。
2部リーグのPro D2でも全試合の合計が5万人を超え、こちらも今季の最高観客動員数を記録した。特に多かったのが、イタリア代表のウェールズ戦でヒーローになったアンジュ・カプオッゾが所属するグルノーブルで1万人近い観客が集まった。
トップ14で最も多かったのは、大西洋ダービーと言われるボルドー対ラ・ロシェルの3万2512人。また、中央高地ダービーと呼ばれるクレルモン対ブリーヴは4月だというのに雪が降る中、1万6000人以上が詰めかけた。
ボルドーは翌週の欧州チャンピオンズカップでもラ・ロシェルを迎え、またもやチケット完売。この日はデーゲームだったこともあり、ラ・ロシェルのホームスタジアムであるマルセル・デフランドルで働いている約250名をラ・ロシェルの会長が招待し、バス5台で応援に駆けつけたというエピソードもある。
トゥールーズもアルスターを迎えるにあたり、2023年ワールドカップの日本代表の試合会場でもあるスタジアム・ドゥ・トゥールーズに会場を移し、3万枚のチケットを完売した。
4月23日のトップ14・第23節は「ワールドカップを祝おう!」というテーマが設けられており、ワールドカップ関連イベントが各試合会場で予定されている。その中でもワールドカップの試合会場になるマルセイユのスタッド・ヴェロドロームでおこなわれるトゥーロン対トゥールーズでは、ワールドカップのエリス杯とトップ14のブレニュス盾(優勝盾)が並べて展示される予定だ。
今季開幕から負傷者が多くなかなか勝てず、降格の危機まで追い詰められたトゥーロンもようやく主力選手が揃い、トップ14直近3試合はラ・ロシェル、クレルモン、リヨンの強豪に勝って調子を上げている。フランス代表のヴィリエール、グロ、セラン、けがから復帰したオリヴォンだけでなく、南アフリカ代表のコルビ、エツベスらも戦列復帰している。対するトゥールーズにはデュポン、ンタマック、バイユ、マルシャン、モヴァカ、フラマン、クロス、ルベルとフランス代表が勢揃いで好ゲームが期待される。この試合のチケットはすでに5万枚売れている。
この盛り上がりを享受しているのは男子だけではない。現在おこなわれている女子のシックスネーションズでも、グルノーブルで開催されたイタリア戦、トゥールーズでのアイルランド戦と、どちらも1万人以上の人がスタジアムで女子代表チームを応援した。4月30日にバイヨンヌでおこなわれる最終節のイングランド戦もすでにチケットは完売となっている。
フランスでのラグビー熱、まだしばらく続きそうだ。