国内 2022.03.30

宗像サニックスブルース、今シーズンをもって活動休止が決定。

[ 編集部 ]
宗像サニックスブルース、今シーズンをもって活動休止が決定。
3月20日、北九州での試合後、ファンにあいさつする宗像サニックスブルース(撮影:Hiroaki.UENO)


 株式会社サニックスは3月30日、ラグビー部(宗像サニックスブルース)の活動を、今シーズン(2022年5月末日)をもって休止することを決定したと発表した。

 同社ラグビー部は1994年に創部。2003年以降、日本ラグビーのトップカテゴリーに所属し、企業ブランドの向上とともに、拠点とする福岡県宗像市を中心とした地域貢献の役割を果たしてきた。

 かつては現日本代表ヘッドコーチであるジェイミー・ジョセフも同部の一員としてプレーし、2015年のワールドカップで英雄となったカーン・ヘスケスや小野晃征、2019年ワールドカップで活躍したジェームス・ムーアなども、ブルースの魂を持った日本代表である。
 また、藤井雄一郎・現日本代表ディレクターも長年ブルースで指揮し、雑草集団といわれたチームを率いて勇敢な戦いを見せ、トップリーグでは2009-2010シーズンにチーム最高の7位という成績を残している。
 多くのラグビーファンを魅了し、地元の人々に愛され、今年2月に廃部を検討していることが報じられたあとは、存続を求める署名活動もおこなわれていた。

 しかし、株式会社サニックスはチームの継続に向けて最大限努力してきたが、「現下の経営環境を総合的に判断した結果、当社としてこれまでと同様の体制でのチームの強化・継続は断念し、ラグビー部の活動を休止することを決定いたしました」と発表。

 本日以降、所属選手のキャリアを最優先に考え、会社として移籍・再就職の支援をおこなっていくという。また、他社へのチーム譲渡についても可能な限り継続して検討していくとのこと。

 宗像サニックスブルースは今季、リーグワンのディビジョン3に参戦し、今週末(4月3日)にはリーグ戦のホストゲーム最終戦として、地元のグローバルアリーナで清水建設江東ブルーシャークスと対戦する。

 松園正隆監督は、「会社より非常に辛く残念な通達を受けました。私が入部した1996年はラグビー部創部3年目のシーズンで、当時では考えられない現役のNZ代表・オールブラックスの選手(ジェイミー・ジョセフ、グレアム・バショップ)が在籍しており、これから強化していくチームとして注目されていました。チームの歴史を振り返れば、これまで在籍した多くの選手・スタッフの努力により、現在の宗像サニックスブルースというチームがあります。また、チームがどんな状況であっても、宗像市をはじめとする多くのファンの皆様に熱い応援をいただくことができ、これまで走り続けることができました。皆様には感謝の思いしかありません。今シーズンで活動は休止しますが、残りのシーズンを宗像サニックスブルースらしく、チーム一丸となって“BLUES PRIDE”を持って戦います」とコメントした。

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