海外 2022.03.09

実vs花奈子の先輩後輩バックス対決、エクセターで実現。

[ 奥村直大 ]
実vs花奈子の先輩後輩バックス対決、エクセターで実現。
小林花奈子、山本実、加藤幸子(左から/筆者撮影)



 2月26日、イングランドでチャレンジ中の3人の日本人選手がエクセターに集結した。

 過去には2016年に英・プレミアシップで畠山健介(現豊田自動織機シャトルズ愛知)がニューカッスル・ファルコンズ、アマナキ・レレイ・マフィ(現横浜キヤノンイーグルス)がバースでプレーするも、直接対決は実現しなかった。
 また昨年は英・プレミア15sにて鈴木彩香(現アルカス熊谷)がワスプス・レディースでプレーしたが、加藤幸子(エクセター・チーフス)とピッチ上で顔を合わせることはなかった。

 しかし、2021年12月4日だった。同日おこなわれたウスター・ウォリアーズ・ウィメンとエクセター・チーフス・ウィメンの対戦で、山本実(ウスター)と加藤の日本人対決が遂に実現した。
 そして今回(2月26日)、加藤は怪我で出場できなかったものの、小林花奈子(エクセター)と山本がピッチ上で相対した。

 ふたりは日本体育大学ラグビー部女子で先輩後輩の仲。かつては、同じジャージーを着て切磋琢磨した。そんな両者が異なるジャージーを身にまとい、イングランドでの史上初の日本人バックス対決を楽しんだ。
 小林が13番で先発出場すると、後半10分頃に山本がSOとしてピッチに入った。

 今回の試合に向けて、ふたりは特に連絡を取り合っていなかったという。試合後のピッチでお互いについて語った。
「ボールがよく回っていたし、自分がキャリーするところはきっちり判断し、ラインブレイクを生んでいた。エクセターの得点力を押し上げていた」と山本が小林を語れば、「風に関係なくキックが飛ぶので、ボールを持つたびに警戒していた。キャリーも良いので、ディフェンスとしてはスライドしづらかった」と小林も山本を評価した。

 加藤も「スタンドオフとしてチームを動かすのは難しい。(山本は)1年目にもかかわらずしっかりコミュニケーションをとられていて凄い。2人のマッチアップする場面をもっと見たかった。」と話した。
 試合は、チーフスの強力FW陣が接点を支配。BKもよく攻め、60-7で勝利した。

 今秋ニュージーランドで開催されるラグビーワールドカップ2021にも出場が期待される3人。欧州特有の長くタフなシーズンを経験し、さらなる高みへ向かうだろう。
 今後の活躍に目が離せない。

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