日本代表 2021.10.23

勇敢な日本代表、惜敗。世界3位の強豪・豪代表と互角に渡り合うも金星ならず。

[ 編集部 ]
勇敢な日本代表、惜敗。世界3位の強豪・豪代表と互角に渡り合うも金星ならず。
ラインブレイクする日本代表のラファエレ ティモシー(撮影:松本かおり)


 ワラビーズの愛称で知られる世界ランキング3位のオーストラリア代表を苦しめ、最後まで互角の戦いを演じた日本代表だが、惜しくも金星獲得とはならなかった。10月23日、大分県でのビッグチャレンジは、23-32で敗れた。

 会場の昭和電工ドーム大分には1万7004人の観客が入り、熱戦に大きな拍手が送られた。

 先制したのはオーストラリアだった。
 立ち上がりから粘り強いディフェンスをしていた日本だが、前半7分、ゴールドジャージーのプレーメーカーであるSOクウェイド・クーパーが防御網に切り込み、パスをもらったWTBトム・ライトがインゴールに持ち込んだ。

 16分にSO松田力也のペナルティゴール(PG)で得点した日本に対し、オーストラリアはさらに22分、敵陣22メートルライン内に入ってアドバンテージを得ると、左から右へすばやくボールを動かし、WTBジョーダン・ペタイアがトライを決めた。

 しかし、3-14とされた日本は26分に反撃する。敵陣深くに入ってテンポよく攻撃を繰り返し、SO松田のキックパスを右外で捕球したWTBレメキ ロマノ ラヴァが俊敏な動きでディフェンダーをかわし、インゴールにボールを押さえた。ゴールキッカーの松田は厳しい角度からのコンバージョンをねじ込み、33分にはPGを決め、1点差に詰めた。

 それでも、流れを変えたいオーストラリアがハーフタイム前にPGで加点し、13-17、日本は4点ビハインドで折り返した。

スクラムでも奮闘した日本代表。右PRの具智元らが気合を入れる(撮影:松本かおり)

 後半も先に得点したのはオーストラリアで、42分(後半2分)、敵陣深くに入ってラインアウトからのサインプレーを決め、突進したパワフルなPRタニエラ・トゥポウがトライゲッターとなった。

 そして48分、日本に痛い反則が出てしまう。レメキがショルダーチャージでイエローカードを提示され、10分間の退出を命じられた。

 すると、数的有利となったオーストラリアは50分、右外を突いて攻め上がり、オフロードパスをもらったSHニック・ホワイトが敵陣深くに蹴ったボールを自ら確保してチャンスとなり、連続攻撃をFLロブ・レオタがフィニッシュした。

 14点差をつけられた日本。しかし、食らいついた。副将の中村亮土がいやな流れを変えた。
 55分、CTBの中村は相手の長いパスをインターセプトし、ゴールへ駆け抜け会場を沸かす。コンバージョンも決まり、20-27とした。

 その数分後、日本はFWがスクラムで押し勝ち、活気づく。その後も、南半球4か国対抗戦で2019年ワールドカップ王者の南アフリカに連勝し2位となったオーストラリアを相手に、勇敢に挑んで互角に渡り合った。

 そして73分、日本はブレイクダウンで激しくファイトし、PGチャンスをつかむ。後半途中から入っていたSO田村優が45メートル超のPGを決め、1トライで逆転となる4点差に詰めた。

 しかし、オーストラリアも意地を見せ、78分、敵陣深くに入ると、ラインアウトからモールを組んで前進し、貴重な5点を獲得。これで勝負は決まり、日本は惜しくも敗れた。

 日本は次週からヨーロッパへ遠征し、アイルランド代表戦(11月6日/ダブリン)、ポルトガル代表戦(11月13日/コインブラ)、スコットランド代表戦(11月20日/エディンバラ)に臨む。

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