「ゴールデンエイジを預かる責任」。シャイニングアークスアカデミーが目指す先進的なビジョン。
同アカデミーのもうひとつの特徴はデータの活用にある。アカデミー生にGPS受信機をつけて、運動量や運動強度などを測定。NTTコムのICTソリューションを駆使して、正確なデータでフィードバックをおこなう。
廣澤HCは「これまではなんとなくできたとか、なんとなく上手くなった、で片付けられていたところを、きちんと可視化して成長を感じてもらう。データリテラシーを学んで、自分で読み解いて、さらに工夫をして、改善して…。自分の成長を自走式で回していければ」と狙いを話す。
いずれは収集されたビッグデータを研究し、オープンシェアしていくことで、他競技や他分野にまで活かしていく考えだ。スポーツにおけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を模索してきた内山GMは、慶應SDMの神武直彦教授とかねてより付き合いがあった。
「これからはスポーツのデータを教育やまちづくりに活かしていかないといけないと話していました。データを見る楽しさが新しくスポーツを好きになる切り口になるかもしれないし、運動能力向上のためのアドバイスができるかもしれない。もしかしたら子育てに役立てられたり、どのスポーツに自分が合っているかを測れるベンチマークになるかもしれません」
浦安市と連携して学校教育の現場に活かすことも、内山GMが描く構想のひとつにある。産官学で連携すれば、ラグビー界では初の事例となるだろう。内山GMも「トップランナーとしてやっていきたい」と意気込む。
「学校教育の現場では決してできないことをやる。ここまでのリソースをかけるのは、プロのスポーツクラブでも難しいかもしれません。これは(企業とプロの)ハイブリッドの良さだと思います」
リーグワンが掲げるミッションのひとつが「社会に貢献する人材の育成」だ。内山GMはアカデミー生だけでなく、指導側の選手たちにも目を向ける。
「最終的にこうしたプログラムを教えられるというライセンス制度を作れれば、引退した選手たちが異動先の各地方でスポーツを活性化できる。それが分散型社会を作り、社会課題を解決できる糸口になるかもしれません。それはリーグワンの使命でもあって、選手は引退したら終わりではない。何かしらラグビーで活躍できる人材を世の中に出していくことも僕たちの使命です」
シャイニングアークスは大きなビジョンのもと、アカデミー事業を開始する。
*10月17日開校予定のシャイニングアークスアカデミーは定員80人予定(小学1~3年生40人、4~6年生40人)。応募などの詳細はこちら。
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