車いすラグビー日本代表は『金』候補。東京パラリンピック、いよいよ開幕
結果として、日本は世界のどのチームにも対抗できるラインナップ(4選手の組み合わせ)を組む準備が整った。
史上最強ともいうべきチームメイトについて、キャプテンの池は「一人ひとりが自分の色を持ち、お互いが信頼し合える12人」だと胸を張る。
そしてもう一人、忘れてはならないのが、この12人が放つ色をダイナミックに融合させ金色へと輝かせるケビン・オアー ヘッドコーチ(以下、HC)の存在だ。
アメリカ出身のケビンHCは、アテネパラリンピックでアメリカ代表を銅メダルに、ロンドン大会ではカナダ代表を銀メダルに導いた名将。基礎と理論に基づいた指導、経験によって培われた判断力の早さ、それに加えて、闘志みなぎるパッションでチームを鼓舞する。
2017年の代表HC就任以降、日本はディフェンスのバリエーションが増え、若手の成長によって選手層が厚くなり戦術の選択肢と幅が広がった。
また、試合中のタイムマネージメントへの意識が向上したことでゲームコントロールにおいても格段に進化を遂げている。
しかし、飛躍の要因となったのは技術面の成長だけではない。そこには、ケビンHCが唱える『BELIEVE』という揺るぎない精神的支柱がある。
目標を成し遂げるためにやってきた努力、トレーニング、犠牲、そして仲間、家族、自分自身…「信じる」力がチームをひとつにし、日本を強くした。
東京パラリンピックでの日本の初戦は、開会式翌日の8月25日だ。
予選ラウンドで日本(世界ランキング3位)を迎え撃つのはフランス(同6位)、デンマーク(同7位)、そして最大のライバル・オーストラリア(同1位)。上位2か国が決勝トーナメント(準決勝)へと進む。
ケビンHCは予選ラウンドでの対戦国について「ハイポインターとローポインターで組むラインナップを中心にしているという点で、日本と似ている3チーム」だという。
その中でもカギになると話すのが、初戦のフランス戦だ。
「上位進出というよりは1試合ずつにフォーカスして進めていきます。大会初戦の相手がフランスということでタフな試合になると予想しています。まずはそこに集中します」
世界の強豪がプライドをかけ火花を散らす東京パラリンピック。金メダル獲得への日本の戦いは、いま始まろうとしている。
【車いすラグビー日本代表 試合日程/予選ラウンド】
8月25日(水)vsフランス
8月26日(木)vsデンマーク
8月27日(金)vsオーストラリア