日本代表の藤井ディレクターが遠征総括。アウェイの洗礼と課題、次のレベルの経験不足にも言及
今回のヨーロッパ遠征で多くの収穫と課題を得た日本代表。秋にもツアーを予定しており、8月末から再び選手を集めて活動を再開する。
人数は、今回ヨーロッパに行った選手(36名=FW:21、BK:15)よりは多めに招集する予定。
春に発表されたワイダースコッド(日本代表候補)以外からも呼ぶ可能性はあり、日本代表の強化試合のためにサンウルブズのメンバーとしてプレーした選手も対象となる。声がかかった選手は個人メニューで少し早めに動き出すことになりそうだ。そして、今回遠征に行ったメンバーで、体脂肪率や規定のフィットネスの数字が合格ラインに達していない選手は早めに始動し、9月2日にテストをおこない、その時点で最初の合宿から呼ぶ選手などを決めていくという。全員そろっての合宿スタートは9月中旬ころになる予定。
秋の試合については、ホームで練習試合も含めて2試合、海外に行って3試合、計5試合を交渉中だという。現時点では、11月20日にエディンバラでスコットランド代表と対戦することが決まっている。
2023年のワールドカップ・フランス大会まであと2年だが、日本代表に続く次のレベルの選手たちのプレー機会が十分ではないのも課題のひとつ。コロナ禍の影響でU20(20歳以下)日本代表が出場する予定だったワールドラグビー U20チャンピオンシップは2年連続で中止となり、ジュニア・ジャパンは昨年3月のワールドラグビー パシフィック・チャレンジを最後に活動できていない。国内トップレベルの新リーグは来年1月スタート予定で、日本代表選手以外は試合間隔がかなり空くことになる。
藤井ディレクターもそれについては重要な問題と考えており、頭を悩ませているという。
「(日本代表の)スコッドに外れた選手が、次のレベルでやるチームがない。ちょっといいなと思う選手を、代表の次のクラスで国際レベルの試合を経験させたいなと思っている。サンウルブズがなくなってしまったので、若い選手にどうやって経験を積ませるかというので悩んでいる。例えば、トップリーグで1チーム作って若い選手を大会に出させるとか、トップリーグに出させるとか、そういうチームを作っていかないと。ちょっと見たい選手が、自分たちのやりたいラグビーのなかでできるかどうかというのがなかなか見られない状況なので」
サンウルブズがスーパーラグビーから除外されて解散し、ジュニア・ジャパンやU20日本代表などが参加できる国際大会がかつてのように実施されるのはいつになるかわからない現状、日本代表につながる次のレベルの選手たちの育成も重要課題となっている。