海外 2021.06.16

南アフリカは北へ行く! プロ14勢との新リーグ参戦正式決定。欧州クラブ最高峰大会への道も

[ 編集部 ]
南アフリカは北へ行く! プロ14勢との新リーグ参戦正式決定。欧州クラブ最高峰大会への道も
北へ行っても暴れようぜ。欧州勢との新リーグに参加する南アフリカのストーマーズ(Photo: Getty Images)


 南半球勢と距離を置いて欧州との関係を深めていた南アフリカラグビー界の4強が、アイルランド、スコットランド、ウェールズ、イタリアのクラブチームと一緒のリーグに参戦することが正式に決まった。
 同リーグの主催者と南アラグビー協会が6月15日に発表。これまで14チームでおこなわれていた「プロ14」は発展し、16チーム参加となって新リーグの名称は「ユナイテッド・ラグビー・チャンピオンシップ」(URC)に決まった。

 これまで南半球の「スーパーラグビー」で戦ってきたブルズ、ライオンズ、シャークス、ストーマーズは、北へ向かう。

 URCは今年9月にキックオフとなる。

 南アフリカラグビーの新しい時代が始まる。
 南アのクラブはこれまで、国内リーグとは別に、同じ南半球の仲間であるニュージーランドやオーストラリアのチームなどとともに25年間、スーパーラグビーで戦ってきた。しかし近年、関係に亀裂が生じたとも報じられ、2020年9月、南アラグビー協会はスーパーラグビーからの撤退を発表し、拡張されたプロ14に参加する意向を表明していた。
 南アと欧州各国では時差がほとんどないこともメリットとされている。

 プロ14はもともと、2001年に「ケルティックリーグ」として誕生し、アイルランド、スコットランド、ウェールズのチームによっておこなわれていたが、2010年からイタリアのクラブが参戦。そして、2017年にはスーパーラグビーから除外された南アフリカのチーターズとキングズが参加し、北半球と南半球のクラブが集うグローバルリーグの「プロ14」となっていた。

 しかし、チーターズとキングズがプロ14に参戦できたのは2019-2020シーズンまで。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、2020年3月を最後に欧州への渡航が困難となり、キングズは財政的な問題も抱えていたため、すでに解散している。チーターズも2020-2021シーズンのプロ14に参加できず、道を譲ることとなり、南アのビッグ4と呼ばれるブルズ、ライオンズ、シャークス、ストーマーズがURCに参戦することになった。

 ちなみに、この南ア勢の4チームは今年4月から「プロ14 レインボーカップ」という大会に参加していた。コロナ禍でプロ14勢との交流戦を実施することはできなかったが、南ア国内リーグを制したブルズが欧州勢1位となったベネトン(イタリア)と6月19日にプレーオフ決勝を戦うことになっている。

 なお、スーパーラグビーから撤退することになった南ア勢だが、南半球ラグビー界との関係は続いており、同国代表のスプリングボックスは引き続き南半球4か国対抗戦(ザ・ラグビーチャンピオンシップ)に参加する。

 16チーム参加のURCは1つのリーグテーブル(順位表)を使用し、上位8チームがプレーオフに進んで優勝を争う。
 レギュラーシーズンは全18ラウンド。4プール(アイルランド/ウェールズ/イタリア&スコットランド/南アフリカの4地域)に分かれ、同じプール内ではホーム&アウェイで対戦(2回戦総当たり)、他のプールのチームとはホームかアウェイのどちからで1回対戦する。

 プール分けは以下のとおり。

■Irish Pool: アルスター、コナート、レンスター、マンスター
■Welsh Pool: スカーレッツ、オスプリーズ、カーディフ、ドラゴンズ
■Italian & Scottish Pool: ベネトン、ゼブレ、エディンバラ、グラスゴー
■South African Pool: ブルズ、ライオンズ、シャークス、ストーマーズ

 なお、南アフリカ勢はハイネケン・チャンピオンズカップなどの欧州大会へ参加できる道も広がり、同大会の主催者(EPCR/ヨーロピアン・プロフェッショナル・クラブ・ラグビー)と最終的に契約合意できれば、早ければ2022-2023シーズンから出場可能となる。

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