コラム 2021.06.10
【ラグリパWest】残念も憧れも上達の糧。関西大倉高校[大阪府]

【ラグリパWest】残念も憧れも上達の糧。関西大倉高校[大阪府]

[ 鎮 勝也 ]
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 土井川は教員になって11年目に入った。楕円球歴は4歳から。摂津市ラグビースクール、摂津一中、茨木高、大阪教育大と進んだ。現役時代はSO。関西大倉には大学卒業と同時に、後継者として望まれて行った。

 前任監督で教員だった佐藤秀記はスクールの校長もつとめた。土井川を小さい時から知る。引継ぎの2年が終わった2013年、「頼んだぞ」と定年退職する。佐藤は大阪の浪商(現・大体大浪商)から日本体育大に入った。母校から後継者を呼ばなかったことは、土井川の人間性や能力の高さを示している。

 ラグビー部の創部は1963年(昭和38)。来年、70年を迎える。天理大出身の丸井正博が初代監督。佐藤、土井川と続く。そのジャージーは赤と黒の段柄だ。
「浪商カラーです」
 佐藤は浪商の強い時代を生きた。監督・久保正道の下、1970年代を中心に9回の全国大会出場の記録が残る。

 チームは日本代表も輩出する。羽根田智也は90年代に活躍。LOとして龍谷大からワールドでプレーした。キャップは1。石本利比康(としひこ)は大阪府ラグビー協会の書記長をつとめ、トップリーグなどの試合運営の軸になった。初期の頃のOBである。

 関西大倉のグラウンドは土だがフルサイズ。両サイドにポールが立つ。その南側を含め、サッカー、アメリカンフットボールの3競技で場所を回す。体育館には共有のウエイトルームもある。施設的に見劣りはしない。

 土井川の補佐をするのは、コーチの有積廣晃(ありづみ・ひろあき)だ。土井川の1歳下。OBで立命館大卒。ラグビーは高校で終え、情報科教員として母校に戻る。部員勧誘もこの2人で行う。
「秋は15人を切らしたことがありません」
 新チームで戦う近畿大会予選(新人戦)、府総体は10人制で出ることはあっても、全国大会予選にはメンバーをそろえる。

 土井川には目標がある
「決勝進出ですね。そこだけはぶれずにいきたいと思っています」
 これまでは府大会の4強が最高である。未知のゾーンへ引き上げることが、三代目の役目。難しければ、難しいほど、チャレンジする価値はある。

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