国内 2021.03.27

後半戦も「ペレナラ劇場」なるか。TJ・ペレナラは強気に謙虚に日野に挑む。

[ 編集部 ]
後半戦も「ペレナラ劇場」なるか。TJ・ペレナラは強気に謙虚に日野に挑む。
コロナ禍で日本食を食べに行く機会はあまりないけど、やっぱりココイチはよく行く(提供:アンダーアーマー @DomeCorp)

 トップリーグ2021はリーグ戦の後半戦が始まった。

 第4節までの前半戦はNTTドコモが快進撃を見せた。4節でパナソニックに13―26で敗れたものの、開幕3連勝でホワイトカンファレンス3位につけている。

 MVP級の活躍でその主役を演じたのが、オールブラックス69キャップを持つSH、TJ・ペレナラだ。

 パナソニック戦は「勝てた試合だった」と悔やむ。
「ただ学んだこともたくさんありました。1番はチャンスをスコアに反映できなかったこと。次からは焦らずにきっちりとスコアにつなげる。(プレーオフ)トーナメントはより厳しい試合になるから、よりそこが大切になる」
 敗戦をそのままで終わらす気はない。

 ペレナラはこうした新たな学びなどをノートに記す。ミーティングのときには、いつも分厚いノートを持っていく。
「メモを取ることはとても重要で、今だけではなく過去のものも全部キープしてます。今ここでつまずいてるなと思ったら、過去のノートに戻って見直します。今だけではなく、その積み重ねが大事になる」

 前半戦の自身のプレーを「全体的にいい感じ」と振り返るも、SNSでたびたび登場した「ペレナラ劇場」という言葉については「初めて聞きました(笑)」と驚いた。日本ラグビーファンの注目の的であることを知っても、謙虚な姿勢は崩さない。
「良いことも悪いことも自分のプレーには影響しない。チームとして良い結果を残したいというのが1番にある」

 チームが躍進した理由についてはこうだ。
「意外な結果と思われるかもしれないけど、僕たちは自分たちを信じて、やることをやっている。しっかりやらなければいけないことをやり切るというのが、私たちのベースラインになっている。後半戦、プレーオフも期待してください」

 ペレナラは昨年の12月末にチームに合流。日本での生活は約3か月経過して、日本の文化、スタイルにもだいぶ慣れてきた。
 英語と日本語で言語の壁こそあるが、逆にそれは幸運だったとペレナラは言う。
「日本に来てから今まではなかった言葉の壁があったので、逆に(自分を知ってもらおうと)自分をオープンにすることができた。おかげでチームメイトやコーチとより近い関係になれました」

 日本語はロッカーが近いPR岡部瞬とHO緑川昌樹が教えてくれる。ウエートトレーニングの間は常に日本語。FB/WTB山本貫太とCTB鶴田薫がトレーニングを共にする。
 インタビュー時も、ペレナラの口からたくさんの日本語が飛び出した。

『週末何してますか?』
『あなたの家族は元気ですか?』
『何時からミーティングですか?』
『何キロですか? 何回ですか? 次は何ですか?』

 「仕事に関連したことが多いね」とペレナラは笑う。

 日本の文化もマオリの文化と似ていて気に入っている。「目上の人を敬う考え方は似ています」。来日して学んだ日本文化を、そばにあったアルコール消毒液の容器とペットボトルで教えてくれた。
「日本では乾杯の時にこうやって目上の人がグラスを上にするでしょう。あれは面白かったです」

 学んだのはもうひとつある。お辞儀だ。
「すごくいいなと思っているのが、ファンだけでなく、グラウンドにもお礼をしていること。ラグビーをしている『そこ』に敬意を払っているのがとてもいい。母国(ニュージーランド)に戻った時でも続けたい」

 チーム、そして日本に早くも順応したペレナラは、3月28日の日野レッドドルフィンズ戦で開幕から5試合連続の先発出場が決まった。
 2歳上のSHオーガスティン・プル(ニュージーランド代表キャップ2)との対戦を楽しみにしている。「彼からハーフとしての動き方を勉強しています。でもまずは勝ちたいですね」。

 強気と謙虚さを兼ね備えたペレナラが日野に挑む。


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日本のスピード重視のラグビーも楽しんでいる。そこに対応できる日本のレフリーにも敬意を払う(提供:アンダーアーマー @DomeCorp)

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